6901 | 小春日や鎌倉辺りの粋人はひねもす歌を詠みにけるかも | 弁慶 | 11月22日 08時45分 |
6902 | めぐりあう千首に華やぎ言祝ぎの桃李歌壇に初めの一歩 | くりおね | 11月22日 09時26分 |
6903 | 巡りあひてしばし憩ひぬ遅咲きの銀木犀の香り忘れず | ぎを | 11月22日 20時07分 |
6904 | 遅咲きは花のみならず人もまた歌に恋にと飛ぶ凍蝶 | 深海鮟鱇 | 11月22日 21時32分 |
6905 | 鎌倉の右大臣なる歌詠みのひそみに倣う腰越の人 | 弁慶 | 11月22日 22時35分 |
6906 | 小動(こゆるぎ)の縁の寺の門前にコーヒーショップ名は“義経”と | 蘇生 | 11月23日 07時51分 |
6907 | 薄絹のヴェールをまとい険しくも人目を忍び獣道行く | くりおね | 11月23日 08時12分 |
6908 | 粟・稗の耕作教へし義経はハンガンカムイと蝦夷に祀らる | 真奈 | 11月23日 12時36分 |
6909 | 義経記にその名を残せし若武者の掘藤次の屋敷跡かな | 弁慶 | 11月23日 19時23分 |
6910 | 恃みての挫折をこえてQちゃんの名前ふたたび神無き月に | 蘇生 | 11月23日 20時11分 |
6911 | 2時間も同じ動作を繰り返すマラソンランナー偉大と言うべし | 弁慶 | 11月23日 21時47分 |
6912 | マラソンも歌も三多に勤むべし多読多作と多思量の汗 | 深海鮟鱇 | 11月23日 23時05分 |
6913 | 朝なさな受信トレイのメールには不埒なものの余りに多き | 蘇生 | 11月24日 04時36分 |
6914 | 自動的に迷惑メールに送られて受信トレイはいつも空っぽ | くりおね | 11月24日 08時21分 |
6915 | 近況を告げよと娘へメールすれば「元気っす(^_^)v」のみ五文字の返事 | 雛菊 | 11月24日 09時27分 |
6916 | 今日もまた天使ら愛の福音を携帯電話のメールに送る | ぎを | 11月24日 09時36分 |
6917 | 福音を聴くごとくをり菩提寺の銀杏の降らす葉を浴びながら | たまこ | 11月25日 06時43分 |
6918 | 銀杏こそ金色ならむ冬の日にふところ寒し愛と金とに | 深海鮟鱇 | 11月25日 07時29分 |
6919 | 石蕗の黄は意志の色なり俗を捨て俳諧きわむる君にふさわし(ある俳諧師へ) | 茉莉花 | 11月25日 10時31分 |
6920 | 石蕗の黄とセージの青が寄りそふてしばし華やぐ小六月かな | 雛菊 | 11月25日 18時42分 |
6921 | クロノスの髭艶やかな小春凪ロゼのワインをお注ぎしませう | 真奈 | 11月25日 20時12分 |
6922 | 夢に酔ひ朝に醒めて凪のごとシーツに残る波の起き伏し | 深海鮟鱇 | 11月26日 07時37分 |
6923 | 荒波をいくつ越えたるアメージング調べゆたかにアドベントはも | れん | 11月26日 10時58分 |
6924 | 霜月の干し竿に未だゐる蛙お経を唱えてゐるごとき面 | たまこ | 11月26日 16時06分 |
6925 | 霜月の夕べの風に防犯のボランティア打つ拍子木の音 | 蘇生 | 11月26日 17時32分 |
6926 | 夢破る拍子木響く寒空に今宵も巡る君を思へり | 深海鮟鱇 | 11月26日 18時19分 |
6927 | 緊張に単純なミス繰り返す拍子木の鳴りすでに幕開き | くりおね | 11月27日 06時12分 |
6928 | 拍子木の鳴りて出でたる蔵之助観客席より遅かりしの声 | 弁慶 | 11月27日 07時30分 |
6929 | この夏の比叡の夜の薪歌舞伎その幽玄の余情は今も | 蘇生 | 11月27日 08時39分 |
6930 | 弁慶が勧進帳に思うべし 安宅になさけ人に花あり | 深海鮟鱇 | 11月27日 21時54分 |
6931 | 雨晴海岸はるか立山の義経主従の道は遠きに | 真奈 | 11月27日 23時19分 |
6932 | 勧進帳聞きて涕す関守は安宅の関の富樫左衛門 | 弁慶 | 11月27日 23時42分 |
6933 | 今日はどうぞよろしくとことこと雪が降ります僕の花道 | 山猫 | 11月28日 00時03分 |
6934 | 木枯らしの夜のネットに見つけたる雨晴海岸 思ひみるかな | たまこ | 11月28日 00時36分 |
6935 | 人影の見えぬ海辺に幾重にも砂塵を防ぐ柵や冬ざれ | 蘇生 | 11月28日 05時44分 |
6936 | 落ち葉して七時雨山に冬来る雪の兆しの雲天に満つ | 弁慶 | 11月28日 07時25分 |
6937 | どんぐりの落ちて転がる吹き溜まり肩寄せ合いて冬を迎える | くりおね | 11月28日 07時34分 |
6938 | 餓えあればどんぐり拾う栗鼠となり月にも捧げんそのどんぐりを | 深海鮟鱇 | 11月28日 08時26分 |
6939 | どんぐりのいさかひ山猫名さばき賢治の宇宙は大悲の心 | ぎを | 11月28日 10時04分 |
6940 | どんぐりの背比べとはこの事かベンチ暖むわれら三人 | 弁慶 | 11月28日 12時24分 |
6941 | 堤防に冬兆しては有無もなく三季の釣りを省みる日々 | 蘇生 | 11月28日 13時39分 |
6942 | 酸敗の殘杯惜しむ我なれば詩酒を祭りて冬こそ吟ぜむ | 深海鮟鱇 | 11月28日 23時45分 |
6943 | 無二の秀句(すく)逆境にこそ詠まれけり吟ぜよ出でよ冬ざるる野に | 蘇生 | 11月29日 06時21分 |
6944 | 新しくよみがえる目にうつりゆく景色を抱け詩は満ちている | くりおね | 11月29日 08時12分 |
6945 | 逆境は金では買えぬ詩材なり景色に払う金も無き身に | 深海鮟鱇 | 11月29日 20時03分 |
6946 | 冬靄に頂かすむ岩手山裸木映す雫石川 | 弁慶 | 11月29日 21時26分 |
6947 | デパートの生鮮域をめぐりても師走を詠う景はあるらん | 蘇生 | 11月30日 05時53分 |
6948 | 経めぐりて実らぬ恋の尽きし余も新巻き鮭の眼はなほ閉じず | 深海鮟鱇 | 11月30日 07時52分 |
6949 | 来る来ない恋の季節は近づきぬ今年はいづこに「クリスマス・イブ」 | ぎを | 11月30日 21時58分 |
6950 | クリスマスイルミネーションを飾る家近所に増えてサンタ来るらし | くりおね | 11月30日 22時16分 |
6951 | 君がためイブに捧げむ詩のために禿筆ひねりサンザ苦労す | 深海鮟鱇 | 11月30日 23時26分 |
6952 | 新宿のアルタの前でとメールあり電飾光る木々の下かな | 弁慶 | 12月1日 00時49分 |
6953 | 楽しげに友とツリーを老婦人ぽつんぽつんと老いたる男 | 蘇生 | 12月1日 05時14分 |
6954 | 男より婦人と犬の多き街われは連れ行く夕べの孤影 | 深海鮟鱇 | 12月1日 07時24分 |
6955 | 犬連れて散歩する人多き街少子高齢矢のごとくかな | 弁慶 | 12月1日 08時09分 |
6956 | 飼い主に品性も似る不思議さよチェホフの書きし貴婦人の犬 | 茉莉花 | 12月1日 09時17分 |
6957 | 美しき花の隣に住む人の飼いたる犬とわれは戯むる | 深海鮟鱇 | 12月1日 09時32分 |
6958 | 自分では犬と思わぬ犬がいてそのこと言いし人を見上げり | 蘇生 | 12月1日 09時55分 |
6958 | 美しき薔薇に棘あり人の世も美は惜しみなく奪ふものかな | ぎを | 12月1日 09時50分 |
6959 | 魂はこの身を離れ遊びゆく言葉の舳先に風を受けつつ | くりおね | 12月1日 11時10分 |
6960 | 言の葉を木の葉に書きてさしあげむ村の鎮守におはす狐に | 深海鮟鱇 | 12月1日 13時52分 |
6961 | 草紅葉中に緑のよもぎあり草それぞれと思いけるかな | 弁慶 | 12月1日 17時20分 |
6962 | デパ地下で季語を思いて折々に巡りてみれど旬は失せたり | 蘇生 | 12月1日 18時08分 |
6963 | なんとまあ気の毒な名よヘクソカヅラ鼈甲色の実ドアに飾れば | 雛菊 | 12月1日 18時13分 |
6964 | 饒舌な秋よと思う椎も楷も蔦も楓もそれぞれの紅 | たまこ | 12月1日 18時40分 |
6965 | 色づきてやがて錆びゆく木々の葉はすでに春への小芽を抱けり | 蘇生 | 12月1日 19時23分 |
6966 | 千山の紅葉を一夜に吹き飛ばす夜来風雨の声ぞ激しく | 弁慶 | 12月2日 05時03分 |
6967 | 脱ぎ捨てる前の桜のほの明き艶やかにして女なるべし | くりおね | 12月2日 07時50分 |
6968 | 極月の二日が明けて残り日と過ぎにし日々をしかと思ほゆ | 蘇生 | 12月2日 08時59分 |
6969 | 起こるべくして起こりしと明らむも「想定外」はこの悲しみぞ | ぎを | 12月2日 10時03分 |
6970 | 逆風の吹き始めたるわれらシニアこころゆたかに日々過ごさうよ | 茉莉花 | 12月2日 10時04分 |
6971 | 同じ火が君の胸にも炎えてをり残花少しく色の息づく | 真奈 | 12月2日 10時40分 |
6972 | 消え失せし胸の炎もまた燃えむ面影橋に一人立つとき | 弁慶 | 12月2日 13時52分 |
6973 | やまとなる和しては歌う心にてこたふるうたを重ねゆきたし | 蘇生 | 12月3日 05時52分 |
6974 | 人として言葉もちたる天からの贈り物こそときを制する | くりおね | 12月3日 06時38分 |
6975 | ときどきに詩にこころざし歌にこゑ称へ続けむうましやまとを | 深海鮟鱇 | 12月3日 07時59分 |
6976 | 言の葉の心入れたる詠人のふくらかなりし歌ぞうれしき | 蘇生 | 12月3日 08時46分 |
6977 | 朝霜に楓あかあか染まりたり忍ぶ心もかぎりあるらむ | くりおね | 12月4日 06時45分 |
6978 | 足柄や嶺のもみじ葉散りはてて山椿咲く関の跡かな | 弁慶 | 12月4日 08時59分 |
6979 | 冬空に朱き花つけ忘れ鉢今朝の寒さに言葉かけやり | 真奈 | 12月4日 09時54分 |
6980 | 真夜中の紅き林檎は凛としてそのけなげさに涙こぼるる | 茉莉花 | 12月4日 10時29分 |
6981 | 三年余貝につぐみてけなげなる介護ベッドに臥したる母は | 蘇生 | 12月4日 11時08分 |
6982 | そばにいるただそれだけで笑顔なり子を生きがいとする母ゆえに | くりおね | 12月4日 21時34分 |
6983 | 母逝きて三年となりぬこの秋も一人登りし無縁坂かな | 弁慶 | 12月4日 23時51分 |
6984 | この冬は帰ると言へば楽しみと母らしからぬ言葉さびしくて | ぎを | 12月5日 00時51分 |
6985 | 気がかりな自分の病気はさておいて息子の心配ばかりしている | くりおね | 12月5日 06時58分 |
6986 | 電話にて彼をいたはる声優し母の恋は小春日のやう | 雛菊 | 12月5日 10時34分 |
6987 | カルメンも聖母マリアもこなさねばアルトはダメと言われ悩んだ | 真奈 | 12月5日 16時43分 |
6988 | 往年のファーストテナーも老いいたり似非バリトンの今はカラオケ | 蘇生 | 12月5日 18時39分 |
6989 | 月曜の夫が髭を剃る音を聞きつつシーザーサラダをつくる | たまこ | 12月5日 23時11分 |
6990 | 火曜にも土曜を思ふ日々にありわれは剃りゆく霜降る鬚を | 深海鮟鱇 | 12月6日 07時41分 |
6991 | 疎らなるごま塩ほどの髭をなで水曜日には剃ることにした | 蘇生 | 12月6日 09時01分 |
6992 | やうやくに生え揃ひたる髭に当つる父のシェーバーこそばゆからむ | かわせみ | 12月6日 09時04分 |
6993 | 不縁てふ猫の帰りてミルク呑む父なゐ母なゐ懐寝入る | 海月 | 12月6日 17時23分 |
6994 | 亡き父の終への日々を回想す生きることのみ日々生きつべし | 蘇生 | 12月6日 18時09分 |
6995 | 髭剃りて鏡の中に頼りなき人の顔あり亡き父を思ふ | ぎを | 12月6日 21時14分 |
6996 | 鏡こそあの世に通ずる窓ならむアリスは出会ふ昔のわたし | 深海鮟鱇 | 12月6日 21時55分 |
6997 | ほんたうのわたしは何処にゐるならむ昔のわたしも更にあらなく | れん | 12月7日 06時40分 |
6998 | ことごとく記憶をせしと思いしが参歩進みてすべて忘却 | 弁慶 | 12月7日 07時03分 |
6999 | 弥陀の掌に生かされていると幼き日教えし祖母の甦りくる | 真奈 | 12月7日 07時30分 |
7000 | 無礙光の朝のわが苑かぞへれば千首の花の常(とは)に咲くなり | 丹仙 | 12月7日 08時48分 |