7001 | あなめでた千手観音七体のそろって歌ふときぞ輝く | 深海鮟鱇 | 12月7日 18時10分 |
7002 | ももすもも百韻連ねしゆかりとて鶴の歩みのうるはしきかな | 真奈 | 12月8日 14時52分 |
7003 | かうかうと頚打ち交わし丹頂の雌雄(めを)は舞ひ舞ふ北の原野に | かわせみ | 12月8日 19時04分 |
7004 | 丹頂の声響きけり釧路なる湿原の上の朝焼けの雲 | 弁慶 | 12月8日 22時06分 |
7005 | わが脳は透かし彫りなり松があり鶴が飛びをる欄間の雲間 | 深海鮟鱇 | 12月8日 22時22分 |
7006 | わが記憶夜空にありき創世の光を浴びて今も尽きざる | 丹仙 | 12月9日 20時35分 |
7007 | 北の辺の凍てつく街は度ごとに遠い記憶をたどる門口 | 蘇生 | 12月10日 05時28分 |
7008 | 北の辺の冬コオロギの眼に映ゑて雪景色あり前世のデジャヴュ | 深海鮟鱇 | 12月10日 08時42分 |
7009 | 氷河期のイイジマルリボシヤンマなほ釧路に生きて湿原に翔ぶ | 真奈 | 12月10日 09時13分 |
7010 | 温暖化永久凍土とけ出だしユカギリマンモス現るる危機 | れん | 12月10日 10時27分 |
7011 | 乗客も思わず笑う駅員の声高らかや大楽毛(おたのしけ) | 弁慶 | 12月10日 10時27分 |
7012 | 惚くるも楽しからずや老父(おいちち)と手をとりて往く大歩危、小歩危 | かわせみ | 12月10日 11時58分 |
7013 | 逝きて早や思うことごと多かりき父に手向けんせめて紅葉を | 蘇生 | 12月10日 13時34分 |
7014 | 霜の朝の梢に百舌が鳴いてをり楓紅葉の葉を落としつつ | たまこ | 12月10日 14時46分 |
7015 | 紅楓の紅葉に隣る銀杏の黄葉見たりわれもまた白髪染めむ紫か茶か | 深海鮟鱇 | 12月10日 19時43分 |
7016 | 姫沙羅の黄葉ゆかしき谷の奥水湧く音のこだま微かに | 弁慶 | 12月10日 23時05分 |
7017 | 水音の静かに聞こゆ湖に白鳥旋回しまた舞いもどる | くりおね | 12月11日 09時46分 |
7018 | 釣り人の絶えし堤に佇めば潮の音は冷え冷えとして | 蘇生 | 12月11日 10時32分 |
7019 | 飽きもせでテトラポッドに当る潮ヨンコラセともソウデンガナとも | 海月 | 12月11日 17時36分 |
7020 | 面白いこと言いますね海月さん あれはテトラがいやじゃいやじゃと | 蘇生 | 12月11日 18時58分 |
7021 | 飽きもせで本日釣りたる十字の句百を超えなば投句せむとす | 深海鮟鱇 | 12月11日 20時05分 |
7022 | 三分の集中力でひねりだす忙しい朝さて投稿す | くりおね | 12月12日 06時07分 |
7023 | 朝なさなまずパソコンのキィを打つボケを防ぐに有効なりや | 蘇生 | 12月12日 07時36分 |
7024 | ボケ来たる脳に咲く花歌一首霜降る冬も春のごとくに | 深海鮟鱇 | 12月12日 08時07分 |
7025 | 卓上に天鵞絨のごとき薔薇ありて愛に滾りし血潮を思ふ | ぎを | 12月12日 10時03分 |
7026 | うふふふとくすすのあいだ冬薔薇珈琲の香にかすかにけもの | 海月 | 12月12日 18時08分 |
7027 | ひたすらに冬薔薇咲かす馬鹿でして天鵞絨の深き襞をまとへず | 真奈 | 12月12日 18時18分 |
7028 | 赤と黒回すソレルのルーレット日向ぼこにはめくるめくなり | 蘇生 | 12月12日 18時38分 |
7029 | 赤と黒ジュリアンソレルの面影の鶴田浩二の暗いあのうた | 弁慶 | 12月12日 21時31分 |
7030 | 鶴頭は赤に黒なる丹頂の清姿舞ひをる田二浩き空 | 深海鮟鱇 | 12月12日 23時41分 |
7031 | 赤電車灯りのともる最後尾雪ふる夜明け遠ざかりゆく | くりおね | 12月13日 07時03分 |
7032 | 夜行列車の窓に貼りつきどこまでも憑きて離れぬ私の顔 | かわせみ | 12月13日 09時49分 |
7033 | てぃんてぃんと遮断機下りて乗れぬのだ おおゾーバの!雪降る列車に | 海月 | 12月13日 11時18分 |
7034 | 殷殷(インイン)と星を散らして鳴る鐘か天より降るシベリアの風 | 深海鮟鱇 | 12月14日 07時38分 |
7035 | ゴビ近き黄河のほとりの殷墟にも白き雪降る夕間暮れかな | 弁慶 | 12月14日 08時25分 |
7036 | 有り得ない指値と知りつ買い漁る株屋はけだし陰虚にも似て | 蘇生 | 12月14日 08時50分 |
7037 | 右左いづれの指も細りしかひとり指輪を空まはりさす | ぎを | 12月14日 09時25分 |
7038 | この空に遊びをせんとや生れしをお願いする還してくれたまへ | 海月 | 12月14日 10時30分 |
7039 | 仕手こそはみずからなすを言ふなめり乳首嘗めて世遊(すさ)び始む | 深海鮟鱇 | 12月14日 23時13分 |
7040 | 故もなく掠めとるとは不浄なりしたり顔なる金の亡者よ | 蘇生 | 12月15日 04時57分 |
7041 | 知るほどになにがよいのかわるいのかわからなくなる人というもの | くりおね | 12月15日 06時38分 |
7042 | 君知るや南の国空青くゆたかなる森花溢るるを | 真奈 | 12月15日 08時00分 |
7043 | 君知るや日向ぼこりの窓の辺に今も小さき大文字の花 | 蘇生 | 12月15日 09時17分 |
7044 | 君知るや右京一条戻り橋雪降る夜に佇む我を | 弁慶 | 12月15日 15時04分 |
7045 | 雪降らば来ぬと君は言ひつれど橋のたもとに松あれば待つ | 深海鮟鱇 | 12月15日 22時24分 |
7046 | 冬桜待っているなら駆けつける仕事を終えて一目散に | くりおね | 12月16日 07時14分 |
7047 | 恋しくば五尺の雪を掻き分けて冬桜咲く雪の野に来よ | 弁慶 | 12月16日 11時44分 |
7048 | こともなき師走の日々はつごもりへいよよ迎へむ父亡き年を | 蘇生 | 12月17日 05時23分 |
7049 | 師走には主なき池にも声あらむふくらむ梅の蕾ぞ聞こゆ | 深海鮟鱇 | 12月17日 08時50分 |
7050 | 大つごもり真近きけふの愛鷹の尾根の白雪うすらぎにけり | れん | 12月17日 09時01分 |
7051 | 大富士に寄り添う妻の愛鷹は雪も積もらず冬を越すかな | 弁慶 | 12月17日 11時00分 |
7052 | 雪肌の富士を染めたる夕茜 君の額に酒の功あり | 深海鮟鱇 | 12月17日 18時00分 |
7053 | 西空の澄める朝は冬富士の彼方に顕ちぬ未来のごとくに | ぎを | 12月17日 21時46分 |
7054 | 赤々と沈む夕日に冬の富士白雪赤く染まり行くかな | 弁慶 | 12月18日 00時05分 |
7055 | 夕日追ふ影は老ゐゆく人ならむ朱に染まりゆく天に降る霜 | 深海鮟鱇 | 12月18日 11時13分 |
7056 | 夕映えの海に沿いゆく江ノ電の上り下りの影が交差す | 蘇生 | 12月18日 15時54分 |
7057 | 凩鉄路裸の大将往くぐんぐんぐんと下駄音高く | 海月 | 12月19日 12時24分 |
7058 | 市振の浜沿ひ走る日本海波濤を砕く雪の烈しき | 真奈 | 12月19日 14時48分 |
7059 | 吹き荒れよ夜の底なる雪女 声果てたらば唇(くち)に朝焼け | 深海鮟鱇 | 12月19日 22時30分 |
7060 | 親知らず子知らず雪の細き道大波よせる越中の国 | 弁慶 | 12月19日 23時32分 |
7061 | 列島は師走の過去に例のなき雪に襲われ不気味なりけり | 蘇生 | 12月20日 06時15分 |
7062 | 雪に舞う凍蝶の夢醒むるとき朝日に匂ひ庭に蝋梅 | 深海鮟鱇 | 12月20日 20時18分 |
7063 | 関東に今夜は雨と予報士は待ち人来たるごとく宣う | 蘇生 | 12月21日 05時29分 |
7064 | 百代の過客なるかや眼前を待ち人来り流れ行きたり | 海月 | 12月21日 09時09分 |
7065 | 三嶋暦携へ芭蕉は陸奥へ今宵は姉歯の松のあたりか | 弁慶 | 12月21日 18時56分 |
7066 | 暦買ひ詩を祭らむと思へども李白百代読みて過ごせり | 深海鮟鱇 | 12月21日 23時34分 |
7067 | ユニークな七百五十六日の暦に暫し二年の計を | 蘇生 | 12月23日 05時25分 |
7068 | こんな日は雪女郎とて淋しかろ裏木戸開いたかへのへのもへや | 海月 | 12月23日 19時00分 |
7069 | 舞い狂い逆巻く雪を通り抜け後ろ髪曳く冷たき女 | くりおね | 12月23日 22時18分 |
7070 | にこやかな王昭君のかんばせに良く似た今夜の雪女かな | 弁慶 | 12月24日 01時26分 |
7071 | この冬の大雪襲う列島の異国にあるやわが住む街は | 蘇生 | 12月24日 05時09分 |
7072 | 木枯らしの吹き過ぐ街に灯点ればビルごとクリスマス・ツリーかな | 真奈 | 12月24日 13時16分 |
7073 | 木枯しの森に雪降る朝まだき藁科川の岸に釣り人 | 弁慶 | 12月24日 17時25分 |
7074 | 鎌倉や江戸を定めし昔人そのすぐるるを今年の雪に | 蘇生 | 12月25日 06時03分 |
7075 | 箱根路や鎌倉往還古えの道しるべあり杉の木の下 | 弁慶 | 12月25日 08時10分 |
7076 | 北鎌倉学寮で鳥もつ鍋雪混じり風黒き山門 | 海月 | 12月25日 08時45分 |
7077 | 学園の銀杏並木は葉を落とし影黒くして祈るごとくに | れん | 12月25日 17時31分 |
7078 | 学園へいたる坂にも男女ありゆるやかなるは女坂とか | 蘇生 | 12月25日 19時08分 |
7079 | ハチ公の左手かなた道玄坂恋文横丁ありし辺りよ | 弁慶 | 12月26日 01時12分 |
7080 | 小さなる道玄坂のかの店のパジリコパスタ味のよろしく | れん | 12月26日 04時17分 |
7081 | 道玄坂裏の名曲喫茶店恋と闘い交叉せし時代(とき) | 茉莉花 | 12月26日 13時04分 |
7082 | ライオンてふ迷宮回路足穂ゐて一千一秒セコンドやまず | 海月 | 12月26日 18時31分 |
7083 | ビャ-ホールライオン目指し足早に友と急ぎし銀座五丁目 | 弁慶 | 12月26日 23時56分 |
7084 | ライオンの壁に描かるモザイクにビールを造る歓喜あふるる | 蘇生 | 12月27日 05時53分 |
7085 | 新宿のモザイク通りの年末は回遊魚族が赤き眼をして | 真奈 | 12月27日 10時24分 |
7086 | 釣り人に赤き夕陽の照る眼あり海の向こふの前世が映る | 深海鮟鱇 | 12月27日 18時40分 |
7087 | 釣り人の絶えて久しき狩野川に冬の靄立つ極月の朝 | 弁慶 | 12月27日 22時37分 |
7088 | 迷ひしはいづくの淵か懐かしむ年の瀬といふ浅きに立ちて | ぎを | 12月28日 22時20分 |
7089 | 淵深き河童も住むと人の言う遠野の里も雪に埋もれて | 弁慶 | 12月29日 23時20分 |
7090 | 初富士の写真アップを楽しみにそれでは皆様よいお年越しを | 雛菊 | 12月30日 08時32分 |
7091 | 祭るにも無きに等しき六千の漢詩に注ぐ今宵のワイン | 深海鮟鱇 | 12月31日 11時48分 |
7092 | 折々の思い認む六千の漢詩言祝ぐ杯をあげなむ | 蘇生 | 12月31日 14時49分 |
7093 | ひかりなき闇をぬければ明日のあり二千六年とびらひらかむ | れん | 12月31日 21時28分 |
7094 | 新しき年巡りきて祈るらんいずこにありても良き年なれと | 茉莉花 | 1月1日 00時18分 |
7095 | 東雲に陽なる兆し未だなく心静かに初明り待つ | 蘇生 | 1月1日 05時51分 |
7096 | 二日にてもうやることのありません猫髭なんぞつまんでみよう | 海月 | 1月2日 11時19分 |
7097 | 若者が己をかけて駆ける今二日の雨の箱根駅伝 | 蘇生 | 1月2日 12時41分 |
7098 | たすきこそ若人つなぐ具体なり国を愁ふは老残の愚痴 | 深海鮟鱇 | 1月2日 22時58分 |
7099 | 日の丸のやたらと目立つ銀座通り渋き顔して荷風散人 | 真奈 | 1月3日 10時16分 |
7100 | 荷風とは蓮の花ふく風ならむ池のほとりの世を捨てし人 | 弁慶 | 1月4日 00時18分 |