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7240 |
去年の冬に貰ひし栞に描かれたる水仙にほう弥生はちかく |
たまこ |
2月27日
11時42分 |
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7241 |
桃の枝邪気を祓ふと贖ひて向う三軒明日はひなの日 |
海月 |
3月2日
21時07分 |
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7242 |
総領の嫁してこの年ひとり言繰り言ならべ雛を飾る |
寂 |
3月3日
01時37分 |
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7243 |
冬眠より覚めし金魚の吐く泡のまぶしさこんな言葉がほしい |
たまこ |
3月3日
10時16分 |
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7244 |
ぶくふくととってんかぁーとビオトープなにが哀しいなに云いたいねん |
海月 |
3月3日
18時08分 |
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7245 |
すし飯に色重ねゆくいっぺんに花咲き揃ふ津軽の春よ |
雛菊 |
3月3日
19時10分 |
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7246 |
苦手なる錦糸卵に挑戦すもはや昨日の私ではない |
たまこ |
3月4日
09時56分 |
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7247 |
あの世から見れば昨日のわれがをり花咲く庭に二羽の鶏 |
深海鮟鱇 |
3月4日
14時28分 |
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7248 |
流れくむ二つの賞に花咲ける詩人清水のリリシズムの詩 |
蘇生 |
3月5日
05時49分 |
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7249 |
目を上げて言ってみやうかもう一度きみたちこそが与太者である |
真奈 |
3月5日
11時17分 |
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7250 |
老ゐの身に春は来たれりいま一度見上ぐる空に飛ぶ宝船 |
深海鮟鱇 |
3月5日
16時59分 |
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7251 |
ありがたや歌の心に癒されて与太にも春はありがたきかな |
蘇生 |
3月5日
18時44分 |
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7252 |
人工衛星(サテライト)春の星座を過ぎるころ地には桜の莟ふくらむ |
かわせみ |
3月6日
11時07分 |
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7253 |
ふくらむは花のみならず鼻マスク伊達に息吹く偽花粉症 |
深海鮟鱇 |
3月7日
20時43分 |
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7254 |
四温にて日々に色濃きスギ花粉テイッシュの箱に手を伸ばす日々 |
蘇生 |
3月8日
05時38分 |
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7255 |
スギ花粉涙滴る街の中ホモサピエンス悲しからずや |
弁慶 |
3月9日
15時16分 |
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7256 |
花粉には小さき妖精の棲みをるや引くな鼻毛を抜くな鼻の毛 |
深海鮟鱇 |
3月9日
20時17分 |
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7257 |
坪庭に一群馬酔木の花咲けり母のよぶ声内耳をよぎる |
寂 |
3月13日
00時56分 |
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7258 |
夜を通し雨戸打ちたる春疾風すでに色なき紅き梅が枝 |
蘇生 |
3月13日
06時19分 |
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7259 |
樹に札を「おかめざくら」と老夫婦丹精こめし花の愛らし |
真奈 |
3月14日
06時45分 |
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7260 |
振り向かば同床異夢の歳月か偕老の花
同穴の墓 |
深海鮟鱇 |
3月14日
23時07分 |
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7261 |
ふらここの妹笑ふ夢さめた恙なしやねとうさんかあさん |
海月 |
3月15日
08時13分 |
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7262 |
梅の花を通りすぎたる風さそう岸辺に見ゆる木立ざわめく |
くりおね |
3月16日
07時09分 |
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7263 |
風は吹き雨は打ちをる嵐聴き人なく揺れる森のぶらんこ |
深海鮟鱇 |
3月16日
18時48分 |
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7264 |
数日の烈風止みて道ゆける人の気配や春の曙 |
蘇生 |
3月18日
05時36分 |
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7265 |
春浅く小指の火傷みづからに針さし抜けり水のにごりよ |
れん |
3月19日
08時36分 |
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7266 |
禅林のあとに光琳しづみゆくゆたかにふかき春のゆふぐれ |
ぽぽな |
3月20日
00時27分 |
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7267 |
春光にすでに果てたる白梅の名残りの蘂の淡き朱の色 |
蘇生 |
3月20日
15時16分 |
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7268 |
白酒に染まれば紅くなるひとを梅の散りゆく空に思はむ |
深海鮟鱇 |
3月23日
21時03分 |
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7269 |
あたたかき雨があがりし朝の日に二三分咲きの花のゆかしさ |
蘇生 |
3月26日
08時51分 |
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7270 |
もろともに想(も)ふ山桜その人のゆかしき遺稿取り出(いだ)し読む |
丹仙 |
3月26日
21時08分 |
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7271 |
桜こそ世に遺しをく思ひなれ歌に添へなん一片の花弁 |
深海鮟鱇 |
3月26日
22時29分 |
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7272 |
ひとひらの花は散り落つ風かすか何処にふれし遠き記憶よ |
れん |
3月27日
00時37分 |
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7273 |
風に立つ獅子にあらずは君がため千鳥が淵の夜桜見んか |
ぎを |
3月27日
11時34分 |
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7274 |
待ちわびて嬉しきものは初の花しみじみなるは花の雲かな |
蘇生 |
3月28日
08時37分 |
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7275 |
待ちわびし花の下にてつらね歌こよひは花も月もなつかし |
真奈 |
3月30日
07時22分 |
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7276 |
満開に行き逢いたきは三春(みはる)なり梅桃さくら共に咲くとか |
茉莉花 |
3月30日
11時49分 |
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7277 |
ああ今年津軽の桜に会いにゆく三十年経しこの歳月よ |
雛菊 |
3月30日
20時12分 |
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7278 |
昨日には鳴子の雪を楽しみて今日は都に花を愛でんと |
蘇生 |
4月1日
08時20分 |
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7279 |
薄曇りこさめのなかの仄あかり桜の花のほころびにけり |
れん |
4月2日
13時31分 |
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7280 |
観音も修羅も夢むや花のした白曼陀羅に魂も漂ふ |
真奈 |
4月3日
14時10分 |
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7281 |
花吹雪彼方の岸に呼ぶ声の君かと想うあかときの夢
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寂 |
4月3日
22時07分 |
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7282 |
花吹雪南風に乗り高々と勿来の関を越えにけるかも |
弁慶 |
4月3日
22時34分 |
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7283 |
春の宵御舟の桜楚々と散り眉月ささめく去来者是人 |
ぎを |
4月4日
01時55分 |
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7284 |
万桜のたなびく雲に紅一点
緋桃酔ひをり朱臉舞ひをり |
深海鮟鱇 |
4月4日
07時21分 |
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7285 |
遠望の日々に色づく山稜は恥らい残す酔いの如くに |
蘇生 |
4月4日
08時50分 |
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7286 |
酔ひ残る今朝はしめじめ花の雨ぬれ屋根ながめて君し偲はゆ |
ぎを |
4月5日
10時03分 |
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7287 |
偲びしを天に帰して花は舞ふ狂女の裳裾ひるがえすごと |
寂 |
4月6日
00時32分 |
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7288 |
隅田川くだりし母はゆきたまふ花霞みはるか幾世のかなた |
れん |
4月6日
08時15分 |
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7289 |
鴎江の長き堤に咲く花も音無く散りて春行かんとす |
弁慶 |
4月6日
23時03分 |
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7290 |
満ちきたる潮の如く北にゆく花の便りに春は闌けたり |
蘇生 |
4月7日
06時28分 |
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7291 |
ひたひたと満ちくる潮ぞ夜の闇まなぶたふかく甦(かえ)りくるもの |
れん |
4月7日
13時40分 |
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7292 |
花は減り緑肥えゆき春老いてわが髪の毛は日々に抜けゆく |
深海鮟鱇 |
4月8日
22時34分 |
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7293 |
葉桜のちらほら午後の校庭に少年野球と父母の垣 |
文枝 |
4月9日
17時08分 |
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7294 |
忘らえぬ春とはなりぬ含羞のやはら花びら身にふる夜は |
ぎを |
4月9日
21時33分 |
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7295 |
うす紅にまだ息づきし花の屑優しき夜を恋ふるがごとく |
真奈 |
4月9日
22時45分 |
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7296 |
恋心はるかに遠き夜は明けり小鳥囀る空に爆音 |
文枝 |
4月11日
09時03分 |
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7297 |
一生涯俺は桜は歌はじと特攻憾む岡野弘彦 |
真奈 |
4月11日
09時54分 |
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7298 |
それぞれの芸の栄華を極めれど母性くすぐる岡本かの子 |
文枝 |
4月11日
14時08分 |
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7299 |
わかき日のかの子撩乱をもひたり吹田にみたる太陽の塔 |
れん |
4月11日
17時16分 |
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7300 |
繚乱の野太き音が一転し和して幽けきメンネルコール |
蘇生 |
4月11日
19時00分 |