7201 | 卒寿超え母はいつまで母なるや五目飯炊き我に勧める | 茉莉花 | 2月16日 11時08分 |
7202 | あの母の破顔を乞うも能面に老い衰えし貌の悲しき | 蘇生 | 2月17日 06時34分 |
7203 | 小面に寒気の凍みる暁暗に我の知らざる悲哀を思ふ | たまこ | 2月17日 07時53分 |
7204 | ゴッホ描くをみなの乳房うかびくるデッサン一枚まさしく悲哀 | れん | 2月19日 11時08分 |
7205 | 悲しみと哀しみなるを分けざれば花にも涙わが眼に真珠 | 深海鮟鱇 | 2月19日 12時31分 |
7206 | トゥテクタタ暁祈る十字の木くそを放りだせ悲しみを喰え | 海月 | 2月19日 12時31分 |
7207 | 悲しみの素数ばかりをアマデュウス魚の音符を掬ひとりては | 真奈 | 2月19日 21時59分 |
7208 | 魚からオタマジャクシに進化してカエル跳び込む酒池の楽の音 | 深海鮟鱇 | 2月19日 22時25分 |
7209 | 水底に春の和音を奏づるや生れしばかりのオタマジャクシは | かわせみ | 2月19日 23時29分 |
7210 | 土手にたつ桜けぶれる花芽どき耳耀はせて春風ぞ吹く | ぎを | 2月20日 00時26分 |
7211 | 夕暮れを桜の梢に匂い立つ闇にもましてときの勢い | くりおね | 2月21日 06時59分 |
7212 | くれなゐの樹液ふつふつ吸ひあげて桜千本夜を眠らず | かわせみ | 2月21日 11時08分 |
7213 | 夜の窓の結露を拭ひし指の痕に遠くの街のネオン煌めく | たまこ | 2月21日 11時34分 |
7214 | 伝へ聞くミモザの蕾ふくるると指もてつつむや光の春を | ぎを | 2月21日 12時23分 |
7215 | 長久手の愛地球博雨の日ぞミモザ咲きゐしはや去年のこと | れん | 2月21日 18時17分 |
7216 | 花ミモザ手折りてくれし住職の二代目既に現世になし | 文枝 | 2月22日 08時25分 |
7217 | ジーパンを着こなし春の街をゆく人ありわが家の和尚さんらし | たまこ | 2月22日 12時21分 |
7218 | 来てみればジーパン穿ける閻王がウインクしたり黄泉不思議 | 深海鮟鱇 | 2月22日 20時38分 |
7219 | レイを首に浜辺に踊る土地の娘の揺らぐ肢体に南国の陽が | 蘇生 | 2月23日 06時17分 |
7220 | 紫が青に薄まり碧(みどり)あり風よそよげよ波よ歌へよ | 深海鮟鱇 | 2月23日 08時00分 |
7221 | 根府川の駅にカンナの咲く見れば相模の海にのり子偲ばん | 真奈 | 2月23日 19時18分 |
7222 | 自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ/のり子が逝つた | 海月 | 2月23日 21時00分 |
7223 | 電話機の声びしびしと怒りおり呆然として師の訃報聞く | 千種 | 2月23日 23時16分 |
7224 | われもまた燃えるゴミの身カラス鳴く朝にゴミ出し黄泉(よみ)に歌詠む | 深海鮟鱇 | 2月24日 08時18分 |
7225 | 小利口なカラスと今朝も知恵くらべ二羽の鴉がゴミを開陳 | 蘇生 | 2月24日 08時47分 |
7226 | わたくしが一番きれいだつたころ、鴉は七つの子を育ててた | かわせみ | 2月24日 15時47分 |
7227 | カラス鳴きテレビつければ花舞へり花様滑氷(かようかっぴょう)日の本に金 | 深海鮟鱇 | 2月24日 20時49分 |
7228 | コンパス的脚でくるくるジャンプ・ジャンプ荒川静香が金メダル獲る | たまこ | 2月24日 22時16分 |
7229 | 諺に名は体をとはいうものの静香に二様あるを知りたり | 蘇生 | 2月25日 06時48分 |
7230 | 荒ぶれる川よと拍手どよめけり静かに香る花の水辺に | 深海鮟鱇 | 2月25日 08時12分 |
7231 | 沈丁花の香りが癒してくれるだらう見送るならば三月がいい | たまこ | 2月25日 10時08分 |
7232 | 梅もまだ芳しからぬ春にをり沈香丁子のアロマを聞くか | 深海鮟鱇 | 2月26日 09時07分 |
7233 | 紅梅についで白きも春雨にいきいきとして枝をのべをり | 蘇生 | 2月26日 09時32分 |
7234 | もう少し眠つてゐよう日曜の朝の雨の音のやさしさ | たまこ | 2月26日 12時50分 |
7235 | 春眠の暁知らぬ際にゐて残夢に散りぬなが空なみだ | 深海鮟鱇 | 2月26日 13時46分 |
7236 | 馬酔木咲く春の岬の細き道見やれば海に伊豆の七島 | 弁慶 | 2月26日 16時20分 |
7237 | ポケットの中の野生や吾が子泣く外には春雨ふり続く日に | ぎを | 2月27日 01時02分 |
7238 | 宵までの千筋の雨はすでにして野にも春なる今朝のぬくもり | 蘇生 | 2月27日 05時33分 |
7239 | 雨あがりボケの花芽もふやけたりふけゆく脳に紅白の彩 | あや | 深海鮟鱇 |
7240 | 去年の冬に貰ひし栞に描かれたる水仙にほう弥生はちかく | たまこ | 2月27日 11時42分 |
7241 | 桃の枝邪気を祓ふと贖ひて向う三軒明日はひなの日 | 海月 | 3月2日 21時07分 |
7242 | 総領の嫁してこの年ひとり言繰り言ならべ雛を飾る | 寂 | 3月3日 01時37分 |
7243 | 冬眠より覚めし金魚の吐く泡のまぶしさこんな言葉がほしい | たまこ | 3月3日 10時16分 |
7244 | ぶくふくととってんかぁーとビオトープなにが哀しいなに云いたいねん | 海月 | 3月3日 18時08分 |
7245 | すし飯に色重ねゆくいっぺんに花咲き揃ふ津軽の春よ | 雛菊 | 3月3日 19時10分 |
7246 | 苦手なる錦糸卵に挑戦すもはや昨日の私ではない | たまこ | 3月4日 09時56分 |
7247 | あの世から見れば昨日のわれがをり花咲く庭に二羽の鶏 | 深海鮟鱇 | 3月4日 14時28分 |
7248 | 流れくむ二つの賞に花咲ける詩人清水のリリシズムの詩 | 蘇生 | 3月5日 05時49分 |
7249 | 目を上げて言ってみやうかもう一度きみたちこそが与太者である | 真奈 | 3月5日 11時17分 |
7250 | 老ゐの身に春は来たれりいま一度見上ぐる空に飛ぶ宝船 | 深海鮟鱇 | 3月5日 16時59分 |
7251 | ありがたや歌の心に癒されて与太にも春はありがたきかな | 蘇生 | 3月5日 18時44分 |
7252 | 人工衛星(サテライト)春の星座を過ぎるころ地には桜の莟ふくらむ | かわせみ | 3月6日 11時07分 |
7253 | ふくらむは花のみならず鼻マスク伊達に息吹く偽花粉症 | 深海鮟鱇 | 3月7日 20時43分 |
7254 | 四温にて日々に色濃きスギ花粉テイッシュの箱に手を伸ばす日々 | 蘇生 | 3月8日 05時38分 |
7255 | スギ花粉涙滴る街の中ホモサピエンス悲しからずや | 弁慶 | 3月9日 15時16分 |
7256 | 花粉には小さき妖精の棲みをるや引くな鼻毛を抜くな鼻の毛 | 深海鮟鱇 | 3月9日 20時17分 |
7257 | 坪庭に一群馬酔木の花咲けり母のよぶ声内耳をよぎる | 寂 | 3月13日 00時56分 |
7258 | 夜を通し雨戸打ちたる春疾風すでに色なき紅き梅が枝 | 蘇生 | 3月13日 06時19分 |
7259 | 樹に札を「おかめざくら」と老夫婦丹精こめし花の愛らし | 真奈 | 3月14日 06時45分 |
7260 | 振り向かば同床異夢の歳月か偕老の花 同穴の墓 | 深海鮟鱇 | 3月14日 23時07分 |
7261 | ふらここの妹笑ふ夢さめた恙なしやねとうさんかあさん | 海月 | 3月15日 08時13分 |
7262 | 梅の花を通りすぎたる風さそう岸辺に見ゆる木立ざわめく | くりおね | 3月16日 07時09分 |
7263 | 風は吹き雨は打ちをる嵐聴き人なく揺れる森のぶらんこ | 深海鮟鱇 | 3月16日 18時48分 |
7264 | 数日の烈風止みて道ゆける人の気配や春の曙 | 蘇生 | 3月18日 05時36分 |
7265 | 春浅く小指の火傷みづからに針さし抜けり水のにごりよ | れん | 3月19日 08時36分 |
7266 | 禅林のあとに光琳しづみゆくゆたかにふかき春のゆふぐれ | ぽぽな | 3月20日 00時27分 |
7267 | 春光にすでに果てたる白梅の名残りの蘂の淡き朱の色 | 蘇生 | 3月20日 15時16分 |
7268 | 白酒に染まれば紅くなるひとを梅の散りゆく空に思はむ | 深海鮟鱇 | 3月23日 21時03分 |
7269 | あたたかき雨があがりし朝の日に二三分咲きの花のゆかしさ | 蘇生 | 3月26日 08時51分 |
7270 | もろともに想(も)ふ山桜その人のゆかしき遺稿取り出(いだ)し読む | 丹仙 | 3月26日 21時08分 |
7271 | 桜こそ世に遺しをく思ひなれ歌に添へなん一片の花弁 | 深海鮟鱇 | 3月26日 22時29分 |
7272 | ひとひらの花は散り落つ風かすか何処にふれし遠き記憶よ | れん | 3月27日 00時37分 |
7273 | 風に立つ獅子にあらずは君がため千鳥が淵の夜桜見んか | ぎを | 3月27日 11時34分 |
7274 | 待ちわびて嬉しきものは初の花しみじみなるは花の雲かな | 蘇生 | 3月28日 08時37分 |
7275 | 待ちわびし花の下にてつらね歌こよひは花も月もなつかし | 真奈 | 3月30日 07時22分 |
7276 | 満開に行き逢いたきは三春(みはる)なり梅桃さくら共に咲くとか | 茉莉花 | 3月30日 11時49分 |
7277 | ああ今年津軽の桜に会いにゆく三十年経しこの歳月よ | 雛菊 | 3月30日 20時12分 |
7278 | 昨日には鳴子の雪を楽しみて今日は都に花を愛でんと | 蘇生 | 4月1日 08時20分 |
7279 | 薄曇りこさめのなかの仄あかり桜の花のほころびにけり | れん | 4月2日 13時31分 |
7280 | 観音も修羅も夢むや花のした白曼陀羅に魂も漂ふ | 真奈 | 4月3日 14時10分 |
7281 | 花吹雪彼方の岸に呼ぶ声の君かと想うあかときの夢 | 寂 | 4月3日 22時07分 |
7282 | 花吹雪南風に乗り高々と勿来の関を越えにけるかも | 弁慶 | 4月3日 22時34分 |
7283 | 春の宵御舟の桜楚々と散り眉月ささめく去来者是人 | ぎを | 4月4日 01時55分 |
7284 | 万桜のたなびく雲に紅一点 緋桃酔ひをり朱臉舞ひをり | 深海鮟鱇 | 4月4日 07時21分 |
7285 | 遠望の日々に色づく山稜は恥らい残す酔いの如くに | 蘇生 | 4月4日 08時50分 |
7286 | 酔ひ残る今朝はしめじめ花の雨ぬれ屋根ながめて君し偲はゆ | ぎを | 4月5日 10時03分 |
7287 | 偲びしを天に帰して花は舞ふ狂女の裳裾ひるがえすごと | 寂 | 4月6日 00時32分 |
7288 | 隅田川くだりし母はゆきたまふ花霞みはるか幾世のかなた | れん | 4月6日 08時15分 |
7289 | 鴎江の長き堤に咲く花も音無く散りて春行かんとす | 弁慶 | 4月6日 23時03分 |
7290 | 満ちきたる潮の如く北にゆく花の便りに春は闌けたり | 蘇生 | 4月7日 06時28分 |
7291 | ひたひたと満ちくる潮ぞ夜の闇まなぶたふかく甦(かえ)りくるもの | れん | 4月7日 13時40分 |
7292 | 花は減り緑肥えゆき春老いてわが髪の毛は日々に抜けゆく | 深海鮟鱇 | 4月8日 22時34分 |
7293 | 葉桜のちらほら午後の校庭に少年野球と父母の垣 | 文枝 | 4月9日 17時08分 |
7294 | 忘らえぬ春とはなりぬ含羞のやはら花びら身にふる夜は | ぎを | 4月9日 21時33分 |
7295 | うす紅にまだ息づきし花の屑優しき夜を恋ふるがごとく | 真奈 | 4月9日 22時45分 |
7296 | 恋心はるかに遠き夜は明けり小鳥囀る空に爆音 | 文枝 | 4月11日 09時03分 |
7297 | 一生涯俺は桜は歌はじと特攻憾む岡野弘彦 | 真奈 | 4月11日 09時54分 |
7298 | それぞれの芸の栄華を極めれど母性くすぐる岡本かの子 | 文枝 | 4月11日 14時08分 |
7299 | わかき日のかの子撩乱をもひたり吹田にみたる太陽の塔 | れん | 4月11日 17時16分 |
7300 | 繚乱の野太き音が一転し和して幽けきメンネルコール | 蘇生 | 4月11日 19時00分 |