7401 | 実朝の歌碑のあたりの夕間暮れ空には淡き月と星見ゆ | 弁慶 | 6月1日 12時13分 |
7402 | 月が蒼いことを理由に遠回りころころ蛙の鳴く畦道を | たまこ | 6月1日 21時33分 |
7403 | たちまちに風紋見ゆる一面の青田になりて梅雨を待つなり | 蘇生 | 6月2日 06時11分 |
7404 | 風紋のクッキリ残る砂山に君と座りしあの日懐し | 弁慶 | 6月2日 09時49分 |
7405 | 風紋を踏む愉しさに歩きたり春の海まで言葉もなしに | たまこ | 6月2日 21時58分 |
7406 | 梅雨入まへ磯の香立ちし砂浜にゴミを集める重機走りぬ | 蘇生 | 6月3日 05時29分 |
7407 | ほんのりと磯の香りの芳ばしく浅草海苔を焙るうれしさ | 弁慶 | 6月3日 07時36分 |
7408 | 射すやうな光線になれば穴子の旬たのしみたのしみ味も匂ひも | たまこ | 6月3日 13時28分 |
7409 | 白焼きの穴子を美味しく戴いて庭を見やれば蛍飛び交う | 弁慶 | 6月4日 01時33分 |
7410 | 江戸前に獰猛果敢な肉食魚 穴子食ひをる紅唇皓歯 | 深海鮟鱇 | 6月4日 08時27分 |
7411 | 甘えてゐるのかと思へば噛みついてこの性分は飼ひ主に似る | たまこ | 6月5日 04時58分 |
7412 | 愛に憎楽に苦ありと先人の呻きに永久に陰と陽あり | 蘇生 | 6月5日 19時14分 |
7413 | 過ぎし日の君の笑顔を思い出す激しき雨音一人聞く夜 | 弁慶 | 6月6日 01時17分 |
7414 | 雨晴れて身はひとりなり鳥の声呼びあふ樹蔭の眼に沁む緑 | 深海鮟鱇 | 6月6日 19時55分 |
7415 | 片身なる貝は哀しやいつの日かひとりのうたの迫りてしみる | れん | 6月7日 01時37分 |
7416 | 「ケイタイ」と言ふ貝パタンと閉じて待つ着信音の「トロイメライ」を | たまこ | 6月7日 15時33分 |
7417 | ぱたぱたと煽ぐ扇に香あり秋扇夏にシャネルを送る | 深海鮟鱇 | 6月7日 22時41分 |
7418 | 磯の香の砂に杭打つ音続き海の家へと躯体くみ上ぐ | 蘇生 | 6月8日 10時38分 |
7419 | 海風に赤き氷菓の旗なびく片瀬江ノ島湘南の浜 | 弁慶 | 6月8日 11時42分 |
7420 | 赤き陽に赤きイチゴのかき氷グラスに残る赤き口紅 | 深海鮟鱇 | 6月8日 23時37分 |
7421 | 砂丘(すなおか)を下れば黒潮潮に乗せ小瓶を流しき手紙を入れて | たまこ | 6月8日 23時50分 |
7422 | 椰子の実が昔着きたる海浜にポリの容器が山になる今 | 蘇生 | 6月9日 07時29分 |
7423 | 椰子の実の着きし砂浜伊良湖崎沖を流るる黒き潮よ | 弁慶 | 6月9日 12時29分 |
7424 | 中田島砂丘に立ちしスナップのとおき日かへるみな若かりき | れん | 6月9日 23時17分 |
7425 | ミュンヘンの若人集うFIFAの火蓋切らるる六月九日 | 蘇生 | 6月10日 09時21分 |
7426 | ベッカムの右足シュート絶好調スタジアムゆれ興奮の渦 | くりおね | 6月10日 22時56分 |
7427 | 遠国の競技の庭に翻る日の丸の旗の多くあれかし | 弁慶 | 6月11日 08時05分 |
7428 | 天高くボールを蹴れば月となり見よゴールには朝日ころがる | 深海鮟鱇 | 6月11日 21時26分 |
7429 | 茶髪でもサムライブルーは日本らしトリニダード・トバゴは地図のどこなの | 真奈 | 6月11日 23時28分 |
7430 | ナビゲーターにわが家への道を映しだせば旅ゆく気分そよぐ卯の花 | たまこ | 6月12日 11時21分 |
7431 | ナビゲーター狂いしボールは食われけりアリゲーターかかのキーパーは | 深海鮟鱇 | 6月13日 20時40分 |
7432 | さむらいの八十余分の勝ちゲーム三太刀あびて血にまみれたり | 蘇生 | 6月15日 05時41分 |
7433 | 月代の青き武士負けにけり乾坤一擲クロアチア戦見よ | 弁慶 | 6月15日 06時26分 |
7434 | ネクタイはクロアチアより広まれりフンドシ締めよ大和魂 | 深海鮟鱇 | 6月15日 21時41分 |
7435 | 愛国心なんかじゃないさ若者の真剣勝負が楽しみなんだ | 雛菊 | 6月18日 11時06分 |
7436 | 美しい日本と思ふ一面の水田に早苗の緑がそよぎ | たまこ | 6月20日 15時33分 |
7437 | この景色美しいとは思うけど人心だけはわからぬものよ | 中澤優希 | 6月21日 19時26分 |
7438 | 風光に国籍はなく美しくモナリザの背にイタリアの空 | 深海鮟鱇 | 6月21日 20時45分 |
7439 | 海外へ行かなき吾のをもひでよ京都でありにきルーブル展はも | れん | 6月21日 23時30分 |
7440 | わが家の軒に育ちし燕の子のたちゆく国を思へばたのし | たまこ | 6月22日 05時36分 |
7441 | 早起きの燕の声の破る夢 巫女は飛びゆく壷中の外へ | 深海鮟鱇 | 6月22日 07時26分 |
7442 | 四時起きの最後の聖戦敗れたり眼に鮮やかなロナウドとジーニョ | 真奈 | 6月23日 22時00分 |
7443 | 贔屓目を捨てて見えたるひ弱さに茨の道よ南アFIFA | 蘇生 | 6月26日 07時47分 |
7444 | ドイツより悲報は届くあさぼらけ我は滂沱の涙、涙よ | 弁慶 | 6月27日 22時15分 |
7445 | 絶叫し涙を流す戦がワールドカップなるに安堵す | たまこ | 6月28日 06時08分 |
7446 | 横雲の途絶えし空の彼方には多摩川越ゆる朝虹の影 | 弁慶 | 6月29日 21時04分 |
7447 | 連綿と日々十年の増俳の夏越祓いは草田男の句に | 蘇生 | 6月30日 05時04分 |
7448 | 六月の別れ惜しみて一盞をボンボワイヤージュのエール贈らん | 真奈 | 6月30日 19時10分 |
7449 | 夏富士やあまねく高き朝の空今年も半ばを過ぎ行かんとす | 弁慶 | 6月30日 23時56分 |
7450 | 春待ちてたちまちすでに夏がきて母亡き日々の早も過ぎ行く | 蘇生 | 7月1日 09時01分 |
7451 | 流れ行く夏の小川の音さやか合歓の花咲く林間の道 | 弁慶 | 7月6日 16時09分 |
7452 | ながれゆくゆくすへしらにさだめなし宙(そら)とも海ともそのはたてはも | れん | 7月7日 01時23分 |
7453 | 青紫蘇も茗荷もふくふく育ってるそうめん流しの夏が来る来る | 雛菊 | 7月9日 17時32分 |
7454 | 稲庭のうどん食べつつ遥かなる小町の里の夏を思えり | 弁慶 | 7月11日 21時44分 |
7455 | 数日の涼しき風の梅雨晴れに明けて日盛る暑さを思う | 蘇生 | 7月13日 08時24分 |
7456 | 層雲のへりに残れる夕茜消えやらず暑き幾夜かがなべ | かわせみ | 7月14日 00時05分 |
7457 | 十年のえにし嬉しき増俳につどう百余の見知らぬ笑顔(増俳記念会合に寄す ) | 蘇生 | 7月15日 05時21分 |
7458 | 生きるとは楽しむこととされば鳴くこの現世の法師蝉かな | やんま. | 7月16日 09時08分 |
7459 | 雲早し箱根の山の蝉時雨宗祇の墓も賑わいにけり | 弁慶 | 7月16日 11時20分 |
7460 | 箱根なる山たかきの薄曇りああ暑かりききのうの都会 | れん | 7月16日 11時55分 |
7461 | 熱きもの賜わりて今血に肉に染みわたり行く音心地良き | 寂 | 7月16日 21時47分 |
7462 | ひたぶるに小さきことに摧くさへ安けき日々の礎ならん | 蘇生 | 7月17日 10時28分 |
7463 | いと小さき声にこの耳傾けて無事に無心に過ごす夏安居 | 丹仙 | 7月19日 23時50分 |
7464 | 滝水に打たれて一人経を読む夏安居の僧の白き衣よ | 弁慶 | 7月20日 08時50分 |
7465 | しとしとと幾日も絶えぬ青梅雨に午前六時の鐘もくぐもる | 蘇生 | 7月21日 07時35分 |
7466 | 家族四人まくら並べて旅の宿瀬音に混じる雨音を聴く | 雛菊 | 7月21日 09時10分 |
7467 | 雨脚の遠離りゆく広き野の果てにありけり足柄の山 | 弁慶 | 7月21日 22時57分 |
7468 | このとしの蓮の花はおそかりき今ぞさかりを雨の降りつぐ | れん | 7月22日 05時06分 |
7469 | 少年の壁当てテニスきりもなや柵の昼顔人知れず咲く | やんま. | 7月22日 08時52分 |
7470 | 日次にていよよ咲きつぐ凌霄花廃家の垣を越えて乱るる | 蘇生 | 7月22日 11時20分 |
7471 | 廃校の庭に昼顔咲きにけり文月の風穏やかに吹く | 弁慶 | 7月22日 21時34分 |
7472 | 級友に再会約し安房を発つ安房の潮騒胸奥に秘め | 寂 | 7月24日 09時36分 |
7473 | その昔読みし里見の八犬伝黒潮流るる安房の国かな | 弁慶 | 7月24日 09時45分 |
7474 | 三浦から指呼とも見ゆる房総の鋸山に懸かる梅雨雲 | 蘇生 | 7月24日 14時54分 |
7475 | その昔登りし安房の鋸山眼下に渦巻く走水の海 | 弁慶 | 7月24日 19時41分 |
7476 | 日傘手に別れし人のまなざしに蓮のつぼみの揺れたもうなり | くりおね | 7月26日 09時21分 |
7477 | イベリアの旅の栞に思い出の炎暑果て無き黒き向日葵 | 蘇生 | 7月28日 15時32分 |
7478 | 戦争で引き裂かれたるひまわりよソフィアローレンの野生美し | 雛菊 | 7月29日 07時56分 |
7479 | さかれたる絆もすでに遠くして帰すべきもののさらだにとおし | れん | 7月29日 10時37分 |
7480 | 朝鮮やドイツの過去を思うときわれらの幸をしみじみ思う | 蘇生 | 7月29日 14時13分 |
7481 | 神風や海の女神に守られて大海原に浮かぶ楽園 | くりおね | 7月31日 08時08分 |
7482 | わたつみの神より届くふみ束はすめらみくにの今や如何と | 真奈 | 8月2日 12時50分 |
7483 | この國の未来は暗し八月の第三の火は天より堕つる | 梅雪 | 8月5日 22時14分 |
7484 | かの八月防空壕を躍り出てひもじき日々も幸を知りけり | 蘇生 | 8月7日 10時41分 |
7485 | ヒロシマで捕虜米兵も死んだこと知るすべもなきふるさとの母 | 真奈 | 8月7日 14時57分 |
7486 | 都幾川の静けき辺ひろしま忌時を刻みし老鶯の音 | 文枝 | 8月7日 20時32分 |
7487 | 立秋を過ぎしこの朝忽然とはたた神なり黒き雨ふる | 梅雪 | 8月8日 10時29分 |
7488 | 反旗とは無念至極に御座候暗渠に黒き翳深くして | 真奈 | 8月9日 16時39分 |
7489 | 明らかにあらざる翳のさらに奥はたてにありしそはなになるや | れん | 8月10日 10時03分 |
7490 | 鳴く蝉は翳を慕ふか最奧の木々は緑の墓をめぐりて(折句) | 深海鮟鱇 | 8月10日 17時26分 |
7491 | 蜩の聲は路傍の石に沁む命の歌はかくも眞幸く | 梅雪 | 8月12日 10時36分 |
7492 | 蝉時雨降る足柄の峠道越ゆれば青き夏富士の見ゆ | 弁慶 | 8月12日 11時29分 |
7493 | ありったけ生きておいでと蝉の殻風透きとほる空透きとほる | 真奈 | 8月12日 13時11分 |
7494 | 蝉しぐれ空はにじみて盆供養かそけき風のぬけゆく寺苑 | れん | 8月12日 20時50分 |
7495 | 父恋し母ぞ恋しき盆のくる瓜の馬の背茄子の牛の背 | 寂 | 8月13日 00時41分 |
7496 | 父母の奥津城訪えば周りには白き山百合咲きにけるかも | 弁慶 | 8月13日 07時00分 |
7497 | 重なりし父母の忌挙げしこの秋はなにやら老いを覚ゆるやわが | 蘇生 | 8月15日 05時45分 |
7498 | 秋茄子の香りさやかな朝のめしちちははの笑み思い出すかな | 弁慶 | 8月16日 09時53分 |
7499 | ちちをやるははと娘もなりゆきて抱く子はわれ似のリニューアルかと | 深海鮟鱇 | 8月16日 17時38分 |
7500 | 孫とわれよく似ているとひとはいう孫をしげしげそんなものかと | 蘇生 | 8月19日 08時57分 |