7501 | いつまでも世にあるべきやとのたまひし父の齢(よはひ)になりて盂蘭盆 | 丹仙 | 8月19日 20時55分 |
7502 | 大空の絹ひとひらも動かさず父は逝きけり初夏の日に | 茉莉花 | 8月19日 21時55分 |
7503 | 夜の明けを太空蓮のひらききり散りゆくばかりのいのちにしあり | れん | 8月20日 12時45分 |
7504 | おほきみのへにこそ死なめかへりみることのみおほき一生(ひとよ)なりけむ | かわせみ | 8月20日 19時39分 |
7505 | おほきみの少年兵たりしが兄はいま死して尊き八十四年 | 真奈 | 8月22日 07時06分 |
7506 | 戦死した息子の遺影に懺悔する祖母はお国のために死ねと言ったと | 雛菊 | 8月22日 13時35分 |
7507 | 悔いること何くれとなく人の世は然して誠は世を導けり | 蘇生 | 8月22日 18時23分 |
7508 | 天と地もゆきかふ歳も旅人と一人黙して歩む八月 | 丹仙 | 8月23日 12時26分 |
7509 | 野辺行けば川原撫子咲にけり宮城野萩の咲く傍らに | 弁慶 | 8月24日 00時37分 |
7510 | かたはらにもの言はぬ母いつの世も女は耐ゆるしかあれど生く | れん | 8月24日 06時42分 |
7511 | 有夫の婦首切りあらば真っ先に少子化対策今さら可笑し | 真奈 | 8月25日 19時00分 |
7512 | この国の戦略なきは業なるや悪しき術なる少子対策 | 蘇生 | 8月26日 05時50分 |
7513 | 地に足をつけたフツーの母たちに学べ小賢しき為政者どもよ | 茉莉花 | 8月26日 11時55分 |
7514 | 女子三十五歳定年制に抗議して裁判起こせしOLもゐて | 真奈 | 8月27日 09時00分 |
7515 | 同級生幾歳ぶりの再会の言葉はそろそろ産んでみないか | ぽぽな | 8月27日 14時13分 |
7516 | 産む性を持って生まれしわれらおみな月に投げ上ぐ言葉持とうよ | 茉莉花 | 8月27日 17時14分 |
7517 | 人はみな翼の跡を背にもち海と大地は女性名詞よ | 真奈 | 8月27日 18時45分 |
7518 | アマテラス大神以来この国は女性無くんば夜も明けぬ国 | 弁慶 | 8月29日 19時57分 |
7519 | 八月の日の出は日々に南して磯の潮にも秋は見えたり | 蘇生 | 8月30日 09時08分 |
7520 | 没日見る弁天池の八月尽名残りの蓮の色のほのかに | 真奈 | 9月1日 13時30分 |
7521 | 去りてゆく夏の姿は日のなごり惜しむ名家の執事なりけり | 丹仙 | 9月1日 19時37分 |
7522 | マイホーム追われし星よ地に降りよ水金火木土はた天海より | 茉莉花 | 9月1日 19時42分 |
7523 | 冥王はなんたる不明と冥界へままよ地球もいま幽明境 | 真奈 | 9月1日 23時07分 |
7524 | ありとしもなき星なれど冥王星とはにその名の消ゆるなかれとく | かわせみ | 9月3日 17時07分 |
7525 | わがありしことなどいづれ消えゆかむ塵ひとつだに更にあらなく | れん | 9月8日 09時15分 |
7526 | 遙かなるところより来ていつかまた遙かに帰る心地して人みななどてかくも懐かし | 丹仙 | 9月8日 18時33分 |
7527 | 計らずもされど不思議な縁えて森羅の友の日々に嬉しき | 蘇生 | 9月9日 07時47分 |
7528 | はからづもかの病院のDr.なり見えざる縁いのりにもにて | れん | 9月10日 11時56分 |
7529 | 吾亦紅ちぢみて垂るるぽつねんとサヨナラ言へぬいくぢなしにて | ギオ | 9月10日 21時51分 |
7530 | サ・ビ・シ・イと片仮名で書き星合の夜はおどけて手を伸べてみる | 真奈 | 9月11日 14時27分 |
7531 | 手をのべる手をひくこともままならぬきめに恋する男なりせば | 蘇生 | 9月12日 06時03分 |
7532 | 誰が招きし秋霖なるかそぼちゆく今昔男の恋むなしくて | ギオ | 9月13日 01時11分 |
7533 | 互いあい 炎のたびに 思ほゆる 君がひとみの ブルーサファイヤ | 眞 | 9月14日 13時59分 |
7534 | ブルーサファイアの瞳もいつか濁りゆき霞む花野の老いのはなやぎ | かわせみ | 9月16日 13時28分 |
7535 | わが身とて思ふに動かず心のみあくがれいづるを老いとや言はむ | ギオ | 9月17日 01時49分 |
7536 | わかこころ むかしのそこの はだいろを はじめてさらす わくわくのとき | 眞 | 9月17日 09時18分 |
7537 | 堂々と雷門の雑踏にラインダンスの長き開脚 | 蘇生 | 9月18日 06時24分 |
7538 | 毎年よ秋の彼岸の行別れまたあふ日まで Long Goodbye! | ギオ | 9月21日 01時15分 |
7539 | 黙の刻朱に染まりぬ彼岸花うたの袂れのかなしさに耐へ | 真奈 | 9月21日 09時54分 |
7540 | きこえしは ひがんばなかな ちのいとの あかがふるえて かたるいにしえ | 眞 | 9月21日 14時42分 |
7541 | お彼岸に花の首裁ちささげなば墓の底にて血を吸ふ髑髏 | 深海鮟鱇 | 9月21日 20時01分 |
7542 | 一途なる情念にも似て彼岸花あれは花のみ愛せし頃か | ギオ | 9月22日 00時40分 |
7543 | 彼岸花造形的に面白しおてんば娘の髪型に似て | 雛菊 | 9月22日 20時41分 |
7544 | 曼珠沙華義母に継母におかあちゃんみんなみんなが彼岸にならぶ | 寂 | 9月23日 00時50分 |
7545 | 鮮やかな紅は母なり曼珠沙華白きは終の父の白髪 | 蘇生 | 9月23日 04時56分 |
7546 | 曼珠沙華黄泉比良坂下り道今も目にあり青き海原 | 弁慶 | 9月23日 12時47分 |
7547 | 半開のドアの向こうに今もある昔の、みたいな秋の淋しさ | ギオ | 9月24日 01時11分 |
7548 | どの秋も実りのあとは空ろなり来し方蓋しこの秋ほどは | 蘇生 | 9月24日 05時10分 |
7549 | 秋の灯に弛びし絃のアヴェマリアしみとほりゆく夜の優しく | 真奈 | 9月25日 02時39分 |
7550 | ねえ、あなたと呼ばるる心地に見返れば金木犀の噎せ来る夜ぞ | ギオ | 9月26日 01時28分 |
7551 | 最果ての地に冥王の星生(あ)れて静寂(しじま)のうちに積る木犀 | 丹仙 | 10月1日 06時04分 |
7552 | 君知るや樹齢重ねて千二百年三島大社に木犀薫る | 弁慶 | 10月2日 01時10分 |
7553 | おみくじを金木犀に結びたる健やかなれと希ひたりし日 | れん | 10月3日 00時15分 |
7554 | まけぎはの こころがさまに みちみちて とぶすべほどく ディープいとほし | 眞 | 10月3日 05時39分 |
7555 | ひたむきに走るがいのち敗れしもその眼かなしきディープインパクト | 真奈 | 10月4日 07時40分 |
7556 | ぬばたまの夢魔が翔けるか白き馬 星ふる枯れ野に露は晶晶 | 深海鮟鱇 | 10月5日 10時19分 |
7557 | 花水川岸に広がる唐土の原に咲きたる大和撫子 | 弁慶 | 10月5日 16時56分 |
7558 | 仲秋の宵に雨音聞きたれば月の涙と思いけるかな | 雛菊 | 10月7日 09時29分 |
7559 | 泣きあかし 涙からさば すがすがし 朝あたらしく 枯れ葉はセピア | 路 | 10月7日 12時13分 |
7560 | 地に満つる悲しび夜ごしの大雨を涙とせしや今朝の秋晴れ | ギオ | 10月7日 14時41分 |
7561 | ようやくに午後の日溜り戻り来て雲間に白き宵の十六夜 | 蘇生 | 10月7日 20時11分 |
7562 | 風吹いて雲はらはれて十六夜関東平野を照らす満月 | 雛菊 | 10月8日 08時44分 |
7563 | ふるさとの家はすどおり戻りきて月かうかうと十六夜の宙 | れん | 10月8日 19時25分 |
7564 | 端正の月載せゐたる大欅隈なきこころ述志歌へと | 真奈 | 10月8日 23時04分 |
7565 | 十六夜の月昇りけり新宿の小滝橋通り真南の空 | 弁慶 | 10月9日 01時05分 |
7566 | 立待の月に響かふ篳篥に女神もなびくや東儀の君よ | ギオ | 10月9日 23時07分 |
7567 | 色の香に陰がさしゆく十六夜 天に月あり窓辺に孤影 | 深海鮟鱇 | 10月10日 11時55分 |
7568 | 沈香や天をもぬけて立ちのぼるお御堂ふかくに仄灯りする | れん | 10月10日 20時24分 |
7569 | のびらかに秋空に並む雲見上ぐ胸騒ぎせし頃なつかしく | ギオ | 10月15日 23時02分 |
7570 | 浮雲に茜の橋のかかる宵飛んでみるかと一陣の風 | 真奈 | 10月16日 13時23分 |
7571 | うっとりと みとれるばかり 先きの月 かかる円にぞ 恋ねがうべし | 眞 | 10月17日 01時12分 |
7572 | 昼の月波静かなる浜名湖の姫街道の紅葉微かに | 弁慶 | 10月17日 09時26分 |
7573 | 海原に遠き島影凛として闌けりて秋は澄み渡りけり | 蘇生 | 10月17日 15時31分 |
7574 | 薄曇り陽ざしゆるゆる神無月アメージングはも澄みてしみくる | れん | 10月21日 10時02分 |
7575 | 菊の秋 香りに酔って いたずらに 薄め買うわれ 八重の花びら | 眞 | 10月22日 00時37分 |
7576 | ガーベラと菊の区別つかぬ眼に街ゆく秋の娘らも花 | 深海鮟鱇 | 10月25日 14時04分 |
7577 | 菊秋の北のドームが打ち揺れてテレビの前のわれも道産子 | 蘇生 | 10月26日 05時58分 |
7578 | ある年の秋の揺れの甦りくる富士に白雪むねのくるしさ | れん | 10月26日 09時14分 |
7579 | 秋冴えて人に飽きたるひとり身の見上ぐる空に富士の白雪 | 深海鮟鱇 | 10月26日 10時13分 |
7580 | 国道を走るアクセル緩めては富士の白雪友の横顔 | 文枝 | 10月26日 17時24分 |
7581 | 駿河路をひたはしりたる一日なり小夜のなかやま夕月に逢う | 寂 | 10月27日 12時56分 |
7582 | 古へは衣干すてふ松が枝にただ潮の香は三保に変らじ | 深海鮟鱇 | 10月27日 16時49分 |
7583 | 南んなみに石花海(せのうみ)を見て西に月小夜の中山夕暮れの頃 | 弁慶 | 10月27日 22時05分 |
7584 | 小夜子さん去年の暮れにぞゆきたりし個展案内に詩がいつもあり | れん | 10月28日 21時48分 |
7585 | 還暦に習い初めし友垣の個展を騒く芸術の秋 | 蘇生 | 10月29日 12時34分 |
7586 | 曳かれゆく犬を羨む秋もあり美術の森に絵を出る美人 | 深海鮟鱇 | 10月30日 11時35分 |
7587 | 秋の日や枕草子に書かれたる事任(ことのまま)の社の森静かなり | 弁慶 | 11月2日 15時16分 |
7588 | Good-bye my love! 忘れはしない君の名をま幸くあれと秋のふた道 | ギオ | 11月3日 01時58分 |
7589 | ひたすらに生き来し道はなになるか履歴は重くいのちある器 | れん | 11月3日 07時33分 |
7590 | 知りそむる風のいたみと空の黙とべら實ひとつ朱くはじけり | 真奈 | 11月4日 10時55分 |
7591 | 一世紀逞しく生き千の風今懐かしき豪傑笑ひ | 文枝 | 11月5日 19時40分 |
7592 | いくさなき世に豪傑となりぬれば酒魔を降して酒一千鍾 | 深海鮟鱇 | 11月6日 17時52分 |
7593 | 鏡割り差配は柄杓に胴間声香りめでたき桝酒を酌み | 真奈 | 11月8日 05時51分 |
7594 | 虫歯多きわれにしあれど沁み通る新酒の味の豊かなるかな | 弁慶 | 11月10日 18時42分 |
7595 | 虫歯ある身の華やぎを過ぎていま夜毎わが身の入れ歯を洗らう | 蘇生 | 11月11日 18時26分 |
7596 | 木枯しの吹き荒るる朝身のうちに虚あるごとき淋しき目覚め | ギオ | 11月12日 22時14分 |
7597 | おぼろげてねぼけたあさはなほさらにいとほしかりしいのちのさまさ | しん | 11月13日 03時27分 |
7598 | いくたびも死したきおもひなにゆえに朧となりし記憶いまさら | れん | 11月13日 04時50分 |
7599 | 歳ふれば死なむと思ふ恋もなし秋に偸まむ風やむ紅葉 | 深海鮟鱇 | 11月13日 09時31分 |
7600 | 登り来て峠の紅葉今盛り彼方に高き夕焼けの富士 | 弁慶 | 11月13日 11時37分 |