四 力をも入れず活きる言の葉 真奈 雑 五 踏みしめる土軟らかに春兆す 茉莉花 初春 に続く六句として次の投稿がありました。
1 てのひらに降るあたたかき雨
「降る」は「雨」だけで分かりますので、そのかわりになにか良い表現があるかも知れません。
2 地球をぬらすあたたかき雨 3 地球に恵む暖かき雨
地球というと、語り手の視点が抽象的になりますね。
4 歌ひたまひし殿様蛙 5 蛙ぽちやんと古池に飛び
去来が既に登場してますので、芭蕉をだすと遠輪廻です。
6 次の住まひを探すやどかり
やどかりは俳味がありますね。
7 朝寝の床に聴くビバルディ
春で付き過ぎかも。
8 朝の光にかすむ山々 9 夕べよろずのおぼろげに見ゆ
このなかでは8のほうが軽くて良いですね。 夕べは夜分になるので、次の花が夜桜に限定されそうですが。
10 土筆摘みにとはるばると来し
これは実に良く前句に付いていますね。 「はるばると来し」が良いです。土筆で同字付けになりますが、これは許容されます。
11 おぼろに聞こゆ寺々の鐘
釈教で、やや遠輪廻気味。
12 峠の茶屋の名代草餅
茶屋で、花前の句になります。草餅という具体的なものが出たのが良いですね。
13 まぶしき原に遊ぶ猫の子
猫の子で晩春です。動物を出したのも変化が出ます。
14 揚雲雀翔つ美しまほろば
これは典雅な付けですね。「うつくしまほろば」だと字余りなので、「はしきまほろば」とすると良い感じになりますね。
15 カリヨン流る麗らかな街
カリヨンは打楽器です。場がどうも仏蘭西のようですね。仏蘭西にも桜並木があるそうですから問題ありませんが。
たくさんの投稿有り難うございます。ざっと拝見して、花前の軽い句という条件に合っているものとして12の
峠の茶屋の名代草餅
を頂戴します。
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