桃李歌壇

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そよ風 (もう一度ダイアナを讃えて)

秋の日は珈琲の香にうずもれて朝を迎えるスタイルがいい

朝の喫茶店(カフェ)イマジンが流れてる今日を生き抜くために歌うたう

少しだけ気取って珈琲飲んでみる私だって秋は装う

さらにさらに厳しい君の反論を寂しく思う「歌はわがため」

一体何が言いたいんだろう、きつくきつく言葉の意味を絞り込んでる

大まじに歌の意義を論じたいただの私とただの君とで

*     *

 七月八月をひきずったそんなこんな気持が(深い迷いと諦念が)、
一気に消滅するような衝撃的な死とその後があった…

それはいっそひとつの奇蹟と思いたいすべての迷いを負ったダイアナ

*     *

ダイアナというひとの死に「与えられ」迷いの森を抜け出した僕

そよ風に吹かれて歌う私です、まっさらな心うけとめてほしい

信じられない言の葉を人の死に信じてみようと思いはじめる

「与える」と君がそう言うのなら信じてみようと思いはじめる

しっとりと落ち着いてゆく胸ぬちに今の自分がはっきり見える

日常の隙間を縫うようにしていのちの意味を考えている

六月のさわやかな日に戻ってるそんな気のする雨の街中

この秋は何もかもがあらたまりそよ風の中歩いていきたい

生きてみようこのあめつちに何もかも信じてみよううつくしき日に

*     *

輝けるこのあめつちに生きているこのよろこびをダイアナ(きみ)に捧げる

幸福に満ちた私の胸ぬちがそっくり君に伝わるように