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題詠または当季雑詠
兼題T 秋出水 兼題U 彼岸花 兼題V 選挙戦(不言題)
9月15日(日)投句開始 9月22日(日)投句締切 翌日選句開始 9月29日(日)選句締切 9月30日(日)披講
不言題とは「選挙戦」という言葉を使わずに選挙戦を詠む題詠です。
投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか 「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。
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| 選句をお願いします 丹仙 - 2024/09/23(Mon) 08:01 No.2468 | |
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投句一覧
投句者:素蘭、風子、春愁、しゐ、白馬、寿美子、丹仙、翔河川、秋童子、志音、ヨアヒム、明子、実生
[1]:秋出水かっぱの行方杳として あきでみずかっぱのゆくえようとして(秋出水・秋出水)
[2]:秋出水生活の橋流されて あきでみずせいかつのはしながされて(秋出水・秋出水)
[3]:秋出水それでも走る3ナンバー あきでみずそれでもはしる3ナンバー(秋出水・)
[4]:秋出水乗り捨てられたEV車 あきでみずのりすてられたイーヴィーしゃ(秋出水・)
[5]:異常なり至る所で秋出水 いじょうなりいたるところであきでみず(秋出水・[温暖化])
[6]:言はざりし言葉の重さ秋出水 いわざりしことばのおもさあきでみず(秋出水・秋出水)
[7]:幼子の天然パーマ彼岸花 おさなごのてんねんパーマひがんばな(彼岸花・)
[8]:鴉にもはらからあらむ秋出水 からすにもはらからあらむあきでみず(秋出水・秋出水)
[9]:気がつけば父の命日彼岸花 きがつけばちちのめいにちひがんばな(彼岸花・)
[10]:茎一本天に屹立曼珠沙華 くきいっぽんてんにきつりつまんじゅしゃげ(彼岸花・曼珠沙華)
[11]:くまのためドングリ山へ公約なし くまのためどんぐりやまへこうやくなし(選挙戦(不言題)・[熊かわいそう])
[12]:黒々と土嚢つみあげ秋出水 くろぐろとどのうつみあげあきでみず(秋出水・)
[13]:候補者に拝まれている墓に秋 こうほしゃにおがまれているはかにあき(選挙戦(不言題)・秋)
[14]:今年また逢いに行こうか彼岸花 ことしまたあいにいこうかひがんばな(彼岸花・)
[15]:ご公儀の不浄払ふや秋の雷 ごこうぎのふじょうはらうやあきのらい(選挙戦(不言題)・秋の雷)
[16]:爽やかや世直し挑む女性推す さわやかやよなおしいどむじょせいおす(選挙戦(不言題)・爽やか)
[17]:新月の魚類は歌ふ礁かな しんげつのぎょるいはうたういくりかな(選挙戦(不言題)・新月)
[18]:自転車の一旦停車彼岸花 じてんしゃのいったんていしゃひがんばな(彼岸花・彼岸花)
[19]:棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水 すてぶねのとものみみゆるあきでみず(秋出水・秋出水)
[20]:背くらべしてる椎の実小楢の実 せいくらべしてるしいのみこならのみ(選挙戦(不言題)・木の実)
[21]:総裁選野党党首も台風の目 そうさいせんやとうとうしゅもたいふうのめ(選挙戦(不言題)・)
[22]:「宅配便」の「宅」まで秋出水の痕 たくはいびんのたくまであきでみずのあと(秋出水・)
[23]:田の畦と思しき所曼珠沙華 たのあぜとおぼしきところまんじゅしゃげ(彼岸花・曼珠沙華)
[24]:だるまさんがころんだ束の間の秋 だるまさんがころんだつかのまのあき(選挙戦(不言題)・)
[25]:津波跡軒端に高し海猫の聲 つなみあとのきばにたかしごめのこゑ(海猫)
[26]:当選の達磨へ処暑の墨を入れる とうせんのだるまへしょしょのすみをいれる(選挙戦(不言題)・処暑)
[27]:泥の家泥の田畑秋出水 どろのいえどろのでんぱたあきでみず(秋出水・秋出水)
[28]:亡き人は大空になほ彼岸花 なきひとはおおぞらになほひがんばな(彼岸花・彼岸花)
[29]:野仏の裾あらふ雨捨て子花 のほとけのすそあらうあめすてごばな(彼岸花・捨て子花)
[30]:彼岸花雨粒抱き光おり ひがんばなあまつぶいきひかりおり(彼岸花・)
[31]:彼岸花の丘にクルスの墓六基 ひがんばなのおかにくるすのはかろっき(彼岸花・)
[32]:ポスターは十人十色ちんちろりん ぽすたーはじゅうにんといろちんちろりん(選挙戦(不言題)・ちんちろりん)
[33]:曼殊沙華炎上しさうなWEB社会 まんじゅしゃげえんじょうしそうなうぇぶしゃかい(彼岸花・曼殊沙華)
[34]:曼珠沙華つま先立で舞うプリマ まんじゅしゃげつまさきだちでまうぷりま(彼岸花・)
[35]:曼珠沙華ドローンのように風にゆれ まんじゅしゃげどろーんのようにかぜにゆれ(彼岸花・)
[36]:曼珠沙華亡き人の声ラジオから まんじゅしゃげなきひとのこえらじおから(彼岸花・曼珠沙華)
[37]:病む地球溢れる涙秋出水 やむちきゅうあふれるなみだあきでみず(秋出水・秋出水)
[38]:与野党の党首選終え秋本番 よやとうのとうしゅせんおえあきほんばん(選挙戦(不言題)・秋)
[39]:拉致されし吾娘に哭すや彼岸花 らちされしあこにこくすやひがんばな(彼岸花・)
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| 選句一覧 丹仙 - 2024/09/30(Mon) 14:22 No.2469 | |
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実生
天の句:[15]ご公儀の不浄払ふや秋の雷 雷嫌いでも、不浄払ってくれるなら。いいかも。
地の句:[39]拉致されし吾娘に哭すや彼岸花 合わせてあげたい。
人の句:[25]津波跡軒端に高し海猫の聲 洪水も津波も残酷、ごめが鳴くから、ニシンが来ると、知らせられない ごめもかわいそう。考えるだけでぞっとする。
風子
天の句:[4]秋出水乗り捨てられたEV車 ハイブリッドも秋出水には勝てません。
地の句:[39]拉致されし吾娘に哭すや彼岸花 連想の距離感が意外で興味深い。
人の句:[32]ポスターは十人十色ちんちろりん 上五を選挙ポスターとしたら明瞭になったかも。
寿美子
天の句:[27]泥の家泥の田畑秋出水 悲惨です。速報で届く悲劇に 励ましの言葉をかけようもない
地の句:[34]曼珠沙華つま先立で舞うプリマ 彼岸過ぎてようやく曼珠沙華がひらきました 明るい視点 素敵です
人の句:[20]背くらべしてる椎の実小楢の実 全くその通り 木の実に国のハンドルを任せられますか?
志音
天の句:[17]新月の魚類は歌ふ礁かな 選挙戦(不言題)の句であることが私にはよく分かりませんでしたが、句としては一番惹かれた御句でした。詩的断定が新鮮で素晴らしいです。
地の句:[29]野仏の裾あらふ雨捨て子花 映像鮮明な御句。野の地蔵に着せられた紅い服の裾を濡らす雨。その横には、同じように雨に濡れそぼった真紅の曼珠沙華。「捨て子花」という傍題を敢えて選択したことが「野仏」と静かに響き合います。
人の句:[8]鴉にもはらからあらむ秋出水 空に鴉が一羽。眼下には未だ引かぬ泥水。あの独りぼっちの鴉にも兄弟姉妹があるに違いない、と思っている作中主体もまた、独り取り残されているか。
しゐ
天の句:[6]言はざりし言葉の重さ秋出水 とても言葉では表せないこの現実。
地の句:[28]亡き人は大空になほ彼岸花 死者と生者を繋いでいるような花。
人の句:[37]病む地球溢れる涙秋出水 この洪水は地球の涙だったのですね。
素蘭
天の句:[19]棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水 艫乗りはいま何処…
地の句:[29]野仏の裾あらふ雨捨て子花 野仏に捨て子花の措辞が隠れ里っぽくていいですね。狐花なら、野仏ならぬ髑髏が、、、
人の句:[14]今年また逢いに行こうか彼岸花 かくありたし。
白馬
天の句:[15]ご公儀の不浄払ふや秋の雷 雷さまにも怒って欲しいです。
地の句:[31]彼岸花の丘にクルスの墓六基 上5と中7の取り合わせが面白いですね。
人の句:[1]秋出水かっぱの行方杳として あの惨状は別として、句として面白いですね。
翔河川
天の句:[29]野仏の裾あらふ雨捨て子花 野仏のそばにも
地の句:[19]棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水 泥水のなかに艫だけ
人の句:[28]亡き人は大空になほ彼岸花 まだ近くに
ヨアヒム
天の句:[30]彼岸花雨粒抱き光おり 日常の細やかな情景。生命の繊細さを感じる。
地の句:[6]言はざりし言葉の重さ秋出水 テレビ画面で、人の心は写し切れない。
人の句:[37]病む地球溢れる涙秋出水 人類は21世紀を乗り切れるのだろうか。
秋童子
天の句:[6]言はざりし言葉の重さ秋出水 想像を絶する辛い体験をされたのでしょう。もはや言葉もありません。
地の句:[27]泥の家泥の田畑秋出水 家も田も、あたり一面すべて泥にまみれて。近年、こんな惨状が日常になってしまいました。
人の句:[7]幼子の天然パーマ彼岸花 なるほど。あの髪型は彼岸花にそっくり。納得です。
明子
天の句:[28]亡き人は大空になほ彼岸花 ええ、確かに大空を自由に飛び回っているのです。風とともに!
地の句:[18]自転車の一旦停車彼岸花 思わず自転車を止めてしまいました。人の足を止めさせる美しさです。
人の句:[2]秋出水生活の橋流されて 生活の基盤の全てを流された方も。胸が痛みます。
春愁
天の句:[24]だるまさんがころんだ束の間の秋 破調がかえってリズムを
地の句:[9]気がつけば父の命日彼岸花 思い当たる
人の句:[32]ポスターは十人十色ちんちろりん 蟲しぐれ
丹仙
天の句:[17]新月の魚類は歌ふ礁かな 選挙戦という不言題の句の中で、これが最も印象的でした。 新月は新たな創造のエネルギーに満ちた月、それゆえに「祈願」の意味があり、選挙戦に結びつきます。そして不言題とはべつにしても、新月と魚類が歌う礁のイメージも美しい。
地の句:[31]彼岸花の丘にクルスの墓六基 鹿児島の福昌寺にある潜伏キリシタンの墓に詣でたときのことを想起しました。ザビエルにも縁のあったこの寺、彼と忍室との交流も記録されています。浦上四番崩れのときに流謫の苦難のあったキリシタン達ですが、他県とは違ってこの福昌寺では、住民から好意を持って遇されたようです。 この句の読みですが、「彼岸花の岡」の「の」はない方が、字余りにならず口調が良いと思いますが如何でしょうか。
人の句:[19]棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水 「捨て船の艫のみ」というところ、いかにも颱風被害の状況を活写しています。
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兼題T 残暑 兼題U 終戦日 兼題V パリ五輪(不言題)
8月15日(木)投句開始 8月22日(木)投句締切 翌日選句開始 8月29日(木)選句締切 8月30日(金)披講
投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか 「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。
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| 選句をお願いします 丹仙 - 2024/08/23(Fri) 09:53 No.2465 | |
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投句一覧
投句者:風子、寿美子、素蘭、白馬、しゐ、素人、春愁、秋童子、ヨアヒム、翔河川、実生、丹仙
[1]:「地獄より生還」と父終戦日 「じごくよりせいかん」とちちしゅうせんび(終戦日・終戦日)
[2]:茜さす君らが決算秋暑し あかねさすきみらがけっさんあきあつし(残暑・秋暑し)
[3]:秋野菜種まき時を見失い あきやさいたねまきときをみうしない(残暑・[大根])
[4]:生きれるかバリからロスに酷暑中 いきれるかぱりからろすにこくしょなか(パリ五輪(不言題)・酷暑)
[5]:何時来るや世界全部の終戦日 いつくるやせかいぜんぶのしゅうせんび(終戦日・)
[6]:いつもとは様子の違ふ残暑かな いつもとはようすのちがうざんしょかな(残暑・残暑)
[7]:炎帝や悲喜こもごもの大舞台 えんていやひきこもごものおおぶたい(パリ五輪(不言題)・炎帝)
[8]:我慢我慢いつまで続くこの残暑 がまんがまんいつまでつづくこのざんしょ(残暑・)
[9]:今日もまた安否問われて残暑かな きょうもまたあんぴとわれてざんしょかな(残暑・残暑)
[10]:渾身の力に酔へり熱帯夜 こんしんのちからによえりねったいや(パリ五輪(不言題)・熱帯夜)
[11]:五輪果てにわかに夜の長きこと ごりんはてにわかによるのながきこと(パリ五輪(不言題)・夜長)
[12]:最強のサーブ至らずパリ五輪 さいきょうのサーブいたらずパリごりん(パリ五輪(不言題)・)
[13]:残暑の日フェンスの向こう舟のゆく ざしょのひふぇんすんすのむこうふねのゆく(残暑・)
[14]:残暑から酷暑に変る見舞状 ざんしょからこくしょにかわるみまいじょう(残暑・残暑)
[15]:残暑きびしきアトリエに未完の画 ざんしょきびしきアトリエにみかんのえ(残暑・)
[16]:残暑日に同じ話を三度聞き ざんしょびにおなじはなしをさんどきき(残暑・)
[17]:式典の耳こそばゆき終戦日 しきてんのみみこそばゆきしゅうせんび(終戦日・)
[18]:しぶき跳ぶさかしまの脚水涼し しぶきとぶさかしまのあしみずすずし(パリ五輪(不言題)・水涼し)
[19]:シャワー浴ぶまたシャワー浴ぶ残暑かな しゃわーあぶまたしゃわーあぶざんしょかな(残暑・残暑[敢えて、季重なりに。])
[20]:終戦日忘れがちなる開戦日 しゅうせんびすれがちなるかいせんび(終戦日・8月15日[重い一日])
[21]:轍を踏む志士の小車終戦日 てつをふむししのおぐるましゅうせんび(終戦日・終戦日)
[22]:初めての競技いろいろパリ五輪 はじめてのきょうぎいろいろパリごりん(パリ五輪(不言題)・)
[23]:パリ五輪彩るアート天高し ぱりごりんいろどるあーとてんたかし(パリ五輪(不言題)・天高し)
[24]:被爆せし聖母と祈る終戦の日 ひばくせしせいぼといのるしゅうせんのひ(終戦日・)
[25]:被爆二世と打ち明くる友秋暑し ひばくにせいとうちあくるともあきあつし(残暑・秋暑し)
[26]:ファックスのリボン捩れる残暑かな ふぁっくすのりぼんよぢれるざんしょかな(残暑・残暑)
[27]:風化せる戦の記憶終戦日 ふうかせるいくさのきおくしゅうせんび(終戦日・終戦日)
[28]:不戦はや空念仏か終戦日 ふせんはやからねんぶつかしゅうせんび(終戦日・終戦日)
[29]:道遠しセーヌの水泳パリ五輪 みちとおしせーぬのすいえいぱりごりん(終戦日・水泳)
[30]:みんないて父だけいない敗戦日 みんないてちちだけいないはいせんび(終戦日・敗戦日)
[31]:麦飯の匂う厨の残暑かな むぎめしのにおうくりやのざんしょかな(残暑・)
[32]:揉めに揉め禍根を残し夏終わる もめにもめかこんをのこしなつおわる(パリ五輪(不言題)・夏終わる)
[33]:安らかに眠れぬ御霊終戦日 やすらかにねむれぬみたましゅうせんび(終戦日・終戦日)
[34]:闇市のSin、Sing、Sing! 敗戦忌 やみいちのSin、Sing、Sing! はいせんき(終戦日・敗戦忌)
[35]:セエヌの夏気球に聖火灯しけり セエヌのなつききゅうにせいかともしけり(パリ五輪(不言題)・)
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| 選句一覧 丹仙 - 2024/08/31(Sat) 07:53 No.2466 | |
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春愁
天の句:[33]安らかに眠れぬ御霊終戦日 地球のどこかで、火の臭い
地の句:[30]みんないて父だけいない敗戦日 還らぬ人を待つ
人の句:[19]シャワー浴ぶまたシャワー浴ぶ残暑かな 熱帯夜何時まで・・・
素人
天の句:[14]残暑から酷暑に変る見舞状 次は激暑か烈暑になるか
地の句:[1]「地獄より生還」と父終戦日 時の経過に記憶も褪せる
人の句:[26]ファックスのリボン捩れる残暑かな インクジェットに変えるべきかも
風子
天の句:[30]みんないて父だけいない敗戦日 子供心に映った悲劇。
地の句:[19]シャワー浴ぶまたシャワー浴ぶ残暑かな 史上初の酷暑。
人の句:[11]五輪果てにわかに夜の長きこと オリンピックで騒いだ夜が急に静かになって、手持ち無沙汰。
しゐ
天の句:[26]ファックスのリボン捩れる残暑かな ある朝起きると、電信柱や物干し竿まで、何もかもが捩れているのでは、、、と怖い想像を抑えられない夏でした。
地の句:[20]終戦日忘れがちなる開戦日 始めてしまったあの日を忘れずにいなければ。
人の句:[9]今日もまた安否問われて残暑かな その問いに「安」と応えられる幸せ。
白馬
天の句:[28]不戦はや空念仏か終戦日 戦費調達の増税やらーーー。
地の句:[11]五輪果てにわかに夜の長きこと 昼夜逆転でしたね。本当に。
人の句:[14]残暑から酷暑に変る見舞状 日付を比べてしまう。
寿美子
天の句:[1]「地獄より生還」と父終戦日 シベリア抑留から帰国した叔父の無念のゆめのまたゆめ語りを 思い出します
地の句:[34]闇市のSin、Sing、Sing! 敗戦忌 闇市のあとかたもなし終戦日
人の句:[14]残暑から酷暑に変る見舞状 実感です。敢えて季重ねいただきます 爽秋が待ち遠しいですーね
実生
天の句:[17]式典の耳こそばゆき終戦日 申し訳なく思いますが。
地の句:[8]我慢我慢いつまで続くこの残暑 種が蒔けない、台風も心配。暑さで体も心配になる畑仕事。
人の句:[35]セエヌの夏気球に聖火灯しけり 美しかった。アランドロンを思い出した。
素蘭
天の句:[24]被爆せし聖母と祈る終戦の日 13年前のパリのAssumption of Mary ノートルダム大聖堂のミサ・聖母像の行列はとても賑やかでしたが…
地の句:[31]麦飯の匂う厨の残暑かな 夏バテ対策に麦とろ飯ですか?いいですね。。
人の句:[9]今日もまた安否問われて残暑かな 残暑に台風 いつまで続くお祈りメール、、、
秋童子
天の句:[28]不戦はや空念仏か終戦日 あの不戦の誓いも忘れ、いまや戦争準備に突き進む国になってしまいました。
地の句:[1]「地獄より生還」と父終戦日 家族には言えないような、凄まじい戦場を生き抜いて来られたのでしょう。
人の句:[30]みんないて父だけいない敗戦日 敗戦後の日本では、父親だけがいない家庭があちこちに。
翔河川
天の句:[31]麦飯の匂う厨の残暑かな 釜で炊いて
地の句:[09]今日もまた安否問われて残暑かな こう暑いと
人の句:[28]不戦はや空念仏か終戦日 いつまでたっても
ヨアヒム
天の句:[5]何時来るや世界全部の終戦日 人類の愚かさを感じる。
地の句:[17]式典の耳こそばゆき終戦日 式典の意味が問われている!
人の句:[13]残暑の日フェンスの向こう舟のゆく 「舟のゆく」という表現がよい。
丹仙
天の句:[34]闇市のSin、Sing、Sing! 敗戦忌 ベニー・グッドマンのスウィングが聞こえてきて、文句なしの敗戦忌。
地の句:[9]今日もまた安否問われて残暑かな 残暑の季節に安否を問われるという異常事態が、昨今の異常気象をよく表しています。
人の句:[18]しぶき跳ぶさかしまの脚水涼し パリ五輪の飛び込みの情景、情景が眼に浮かびます。
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題詠または当季雑詠
兼題T 虹 兼題U 片陰 兼題V 空蝉
7月15日(月)投句開始 7月22日(月)投句締切 翌日選句開始 7月29日(月)選句締切 7月30日(火)披講
投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか 「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。
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| 選句をお願いします 丹仙 - 2024/07/23(Tue) 08:05 No.2462 | |
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投句一覧
投句者:春愁、素蘭、風子、寿美子、しゐ、素人、白馬、翔河川、ヨアヒム、明子、秋童子、実生、丹仙
[1]:朝早くもぬけの殻にあわれみを あさはやくもぬけのからにあわれみを(空蝉・[殻だけ残して])
[2]:渥美より鳥羽へ大きな虹の橋 あつみよりとばへおおきなにじのはし(虹・虹)
[3]:一枚の葉裏に三つ蝉の殻 いちまいのはうらにみっつせみのから(空蝉・蝉の殻)
[4]:入日影切れ切れの虹作りたる いりひかげきれぎれのにじつくりたる(虹・虹)
[5]:空蝉とう小部屋に夜気の残りをり うつせみとうこべやにやきののこりおり(空蝉・空蝉)
[6]:空蝉の影も形も無かりけり うつせみのかげもかたちもなかりけり(空蝉・)
[7]:空蝉の数ほど木々に児らの顔 うつせみのかずほどきぎにこらのかお(空蝉・空蝉)
[8]:空蝉の背なの割れ目を覗き込む うつせみのせなのわれめをのぞきこむ(空蝉・空蝉)
[9]:空蝉の主なきあとのその軽さ うつせみのぬしなきあとのそのかるさ(空蝉・)
[10]:空蝉や明日をも知れぬ生命かな うつせみやあすをもしれぬいのちかな(空蝉・空蝉)
[11]:うつせみや天草一揆隠る堀 うつせみやあまくさいっきこもるほり(空蝉・)
[12]:空蝉や命かけたる眼の光 うつせみやいのちかけたるめのひかり(空蝉・空蝉)
[13]:空蝉をとをも集めて罐の中 うつせみをとおもあつめてかんのなか(空蝉・空蝉)
[14]:傘さしてなほ片蔭を歩みけり かささしてなおかたかげをあゆみけり(片陰・片蔭)
[15]:片陰に先客の居て通り過ぐ かたかげにせんきゃくのいてとおりすぐ(片陰・片陰)
[16]:片陰のあらず畑で草を採る かたかげのあらずはたけでくさをとる(片陰・炎天下)
[17]:片陰の陰弱くする反射光 かたかげのかげよわくするはんしゃこう(片陰・)
[18]:片陰のほとんど消えて街真昼 かたかげのほとんどきえてまちまひる(片陰・片陰)
[19]:片影や傍に遺る駒つなぎ かたかげやかたえにのこるこまつなぎ(片陰・片影)
[20]:片陰を息絶え絶えの家路かな かたかげをいきたえだえのいえじかな(片陰・片陰)
[21]:片影を出る一歩の怯みをり かたかげをいづるいっぽのひるみをり(片陰・片陰)
[22]:片影を探す真昼の大都会 かたかげをさがすまひるのだいとかい(片陰・)
[23]:片陰を伝う子猫の尻尾かな かたかげをつたうこねこのしっぽかな(片陰・)
[24]:街路樹の片陰たどる午後の街 がいろじゅのかたかげたどるごごのまち(片陰・片陰)
[25]:伐らるるを知らぬ並木の片陰り きらるるをしらぬなみきのかたかげり(片陰・片陰り)
[26]:この虹を見せんがための嵐かな このにじをみせんがためのあらしかな(虹・虹)
[27]:精霊の耀き空蝉の静けさ せいれいのかがやきうつせみのしずけさ(空蝉・)
[28]:土砂降りの町をぬけ来て二重虹 どしゃぶりのまちをぬけきてふたえにじ(虹・二重虹)
[29]:虹かかる島と島をば結ぶ橋 にじかかるしまとしまとをむすぶはし(虹・虹)
[30]:虹の足見たく走りし幼き日 にじのあしみたくはしりしおさなきひ(虹・虹)
[31]:虹のない期待もできず世相なり にじのないきたいもできずせそうなり(虹・ドジャブリ)
[32]:虹の橋わたれば逢えるかも知れず にじのはしわたればあえるかもしれず(虹・)
[33]:半輪の虹立つ海の蒼さかな はんりんのにじたつうみのあおさかな(虹・虹)
[34]:人絶ゆる嵐が丘に虹の橋 ひとたゆるあらしがおかにひじのはし(虹・虹[北イングランドのハワースを訪れた際の想い出])
[35]:山近し虹半円に西の空 やまちかしにじはんえんににしのそら(虹・)
[36]:世に未練秋の空蝉爪深く よにみれんあきのうつせみつめふかく(空蝉・秋の空蝉)
[37]:ヘルモンの白き岩肌虹立ちぬ ヘルモンのしろきいわはだにじたちぬ(虹・)
[38]:ベテスダの池の片陰水動く ベテスダのいけのかたかげみずうごく(片陰・)
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| 選句一覧 丹仙 - 2024/07/31(Wed) 10:21 No.2463 | |
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春愁
天の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光 空蝉にのこる眼光の鋭さ、生まれ出た生命力を上手く表している
地の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり 共感!!
人の句:[29]虹かかる島と島をば結ぶ橋 見たいですね
寿美子
天の句:[32]虹の橋わたれば逢えるかも知れず 追慕の思い切なく共鳴
地の句:[19]片影や傍に遺る駒つなぎ 古びた宿場町を吟行 片影を伝って歩いた日がありました
人の句:[22]片影を探す真昼の大都会 殺人的な酷暑の昨日 今日 これより先が思いやられます
素人
天の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹 車を止めてしばし見入るや
地の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり 今日の会合キャンセルするか
人の句:[3]一枚の葉裏に三つ蝉の殻 競争の世をくぐり抜けねば
しゐ
天の句:[13]空蝉をとをも集めて罐の中 もう空っぽなのに、なぜか見つけるたびに心躍るものの一つ。
地の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり エイっと日向に飛び出して早く帰りたい気持ちと、いつまでも日陰を味わっていたい気持ちと。
人の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ 木漏れ日の中の小さなベンチを想像しました。
秋童子
天の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり 怯んで踏み出せない一歩。いかに暑い日盛りなのかが伝わってきます。
地の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹 まだ雨が滴り落ちているような。生まれたての二重虹。
人の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ さりげなく遠慮して。白黒写真を見るような夏のひとコマです。
白馬
天の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光 ご主人の身を思って。
地の句:[32]虹の橋わたれば逢えるかも知れず 今は遠い人
人の句:[14]傘さしてなほ片蔭を歩みけり 暑さ+暑さ
素蘭
天の句:[37]ヘルモンの白き岩肌虹立ちぬ 大地を潤す水源の地アンチレバノン山脈の最高峰。 私見ですが、グラナダ郊外から眺めたシェラネバダ山脈に似てるような…
地の句:[2]渥美より鳥羽へ大きな虹の橋 石垣島で見事に半分だけのアーチを描く大きな虹を見たことがありますが、それはさておき、海にかかる虹には鮮やかで大きなものが多いような、、、
人の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ 風通しの良い木陰のベンチ、一休みしたかったけど、、、
実生
天の句:[36]世に未練秋の空蝉爪深く すすきの葉にゆらゆらしがみ付いて。
地の句:[30]虹の足見たく走りし幼き日 確かに足が見えなくて。消えそうなので走ったり。
人の句:[23]片陰を伝う子猫の尻尾かな 夕方になると隣の家から涼しいところ選んで。隣人は無事帰れるか心配して庭に降りるまで 見てくれていた。老猫だったけど。
翔河川
天の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ 入るのがためらわれ
地の句:[23]片陰を伝う子猫の尻尾かな チョロチョロと
人の句:[32]虹の橋わたれば逢えるかも知れず なつかしいひとに
明子
天の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹 ドラマチックな展開です。虹を仰ぐ嬉しさが伝わります。
地の句:[23]片陰を伝う子猫の尻尾かな 猫だって暑いのは嫌ですものね。尻尾の動きがかわいいです。
人の句:[5]空蝉とう小部屋に夜気の残りをり 命の名残でもありますね。
風子
天の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光 蝉が生まれるのを見た。背を割って精霊のような薄緑の蝉がじわじわと生まれる。掲句は空蝉に眼光を感じている。生まれた蝉の眼は黒々として大きい。手足を泳がせて欅の幹に着地?するところは感動的だ。生まれたての蝉は力強く上へ上へと登っていった。
地の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹 トスカーナの田舎をドライブしていた時のこと。完璧な虹を見た。二重虹ではなかったけれど印象深い思い出となった。
人の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり やっと汗がひいた頃、さて出発するかと一歩の勇気がいりますね。
ヨアヒム
天の句:[30]虹の足見たく走りし幼き日 私もまた、虹の足に辿り着きたいと思っていました。
地の句:[14]傘さしてなほ片蔭を歩みけり 気持ち、分かる❗️
人の句:[25]伐らるるを知らぬ並木の片陰り 「知らぬ」は、人間も同じ。
丹仙
天の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり 最近の異常な酷暑が背景にありますね。
地の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光 蝉の抜殻ではなく、まさに脱皮しつつある情景を詠んだところに惹かれました。
人の句:[14]傘さしてなほ片蔭を歩みけり 猛暑を詠んだ巧みな句。
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題詠または当季雑詠
兼題T 蛍 兼題U 短夜 兼題V 紫陽花
6月15日(土)投句開始 6月22日(土)投句締切 翌日選句開始 6月29日(土)選句締切 6月30日(日)披講
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| 選句をお願いします 丹仙 - 2024/06/23(Sun) 14:16 No.2459 | |
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投句一覧
投句者:寿美子、春愁、白馬、風子、素蘭、素人、しゐ、実生、秋童子、明子、翔河川、ヨアヒム、丹仙
[1]:青き眼の神父蛍をまた放つ あおきめのしんぷほたるをまたはなつ(蛍・)
[2]:明易き時の祈りよザカリアの歌 あけやすきときのいのりよザカリアのうた(短夜・明易し)
[3]:明易の新聞配るバイク音 あけやすのしんぶんくばるばいくおん(短夜・明易)
[4]:朝夕の水にご機嫌七変化 あさゆうのみずにごきげんななへんげ(紫陽花・七変化)
[5]:紫陽花の雨に好かれてしどけなく あじさいのあめにうたれてしどけなく(紫陽花・)
[6]:紫陽花の色鮮やかに雨に濡れ あじさいのいろあざやかにあめにぬれ(紫陽花・紫陽花)
[7]:紫陽花の路地を巧みにピザバイク あじさいのろじをたくみにピザバイク(紫陽花・紫陽花)
[8]:紫陽花や友亡き今宵苦期酒 あじさいやともなきこよいにがきさけ(紫陽花・紫陽花)
[9]:紫陽花や猫の束縛強い朝 あじさいやねこのそくばくつよいあさ(紫陽花・)
[10]:紫陽花や明月院へ渋滞中 あじさいやめいげついんへじゅうたいちゅう(紫陽花・紫陽花)
[11]:紫陽花やリスボンの海なつかしき あじさいやリスボンのうみなつかしき(紫陽花・)
[12]:安曇野に住まいし祖父母蛍の夜 あずみのにすまいしそふぼほたるのよ(蛍・蛍)
[13]:洗ひ場の跡に蛍の飛びにけり あらいばのあとにほたるのとびにけり(蛍・蛍)
[14]:一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ いっしんにやみひきよせてほたるとぶ(蛍・蛍)
[15]:地球とふ天河の貴石濃紫陽花 がいあとうてんがのきせきこあじさい(紫陽花・濃紫陽花)
[16]:額紫陽花ちょっと違ってちょっといい がくあじさいちょっとちがってちょっといい(紫陽花・夏)
[17]:濃紫陽花見え隠れする過ぎし夢 こあじさいみえかくれするすぎしゆめ(紫陽花・)
[18]:心痛み眠れぬままの短夜かな こころいたみねむれぬままのたんやかな(短夜・短夜)
[19]:漆黒の闇に希望の蛍かな しっこくのやみにきぼうのほたるかな(蛍・蛍)
[20]:すりガラス映る紫陽花踊っている すりがらすうつるあじさいおどっている(紫陽花・梅雨)
[21]:清少納言初ほうたるに筆はたと せいしょうなごんはつほうたるにふではたと (蛍・初ほうたる)
[22]:涙貌想いださせる蛍の灯 なみだがおおもいださせるほたるのひ(蛍・)
[23]:短夜や校正作業きりもなし にじかよやこうせいさぎょうきりもなし(短夜・短夜)
[24]:柞葉の帚弓手に夏至祭 ははそばのははきゆんでにげしまつり(夏至)
[25]:蛍追ふ認知の母のあとを追ふ ほたるおうにんちのははのあとをおう(蛍・蛍)
[26]:蛍篭残してみんな失せにけり ほたるかごのこしてみんなうせにけり(蛍・蛍篭)
[27]:蛍とぶ短き春の衣替え ほたるとぶみじかきはるのころもがえ(蛍・衣替え)
[28]:蛍の点滅シナプスの伝達 ほたるのてんめつシナプスのでんたつ(蛍・夏)
[29]:短夜のながくて深い息ふたつ みじかよのながくてふかいいきふたつ(短夜・夏)
[30]:短夜や厨の氷生るる音 みじかよやくりやのこおりあるるおと(短夜・短夜)
[31]:短夜や呑んでふと見りや外は朝 みじかよやのんでふとみりゃそとはあさ(短夜・短夜)
[32]:短夜や夢を二度見る時間割 みじかよやゆめをにどみるじかんわり(短夜・)
[33]:短夜を早駆けに過ぐ月白く みじかよをはやがけにすぐつきしろく(短夜・短夜)
[34]:短夜や水音絶えぬ木曽の宿 みぢかよやみずおとたえぬきそのやど(短夜・短夜)
[35]:武蔵野に湧水多し額の花 むさしのにゆうすいおおしがくのはな(紫陽花・額の花)
[36]:もののふの耶蘇のクルスや蛍飛ぶ もののふのやそのくるすやほたるとぶ(蛍・蛍)
[37]:山紫陽花祖眠る村の遥かなる やまあじさいおやねむるむらのはるかなる(紫陽花・山紫陽花)
[38]:夜更かしに短夜はみじめ朝が来た よふかしにたんやはみじめあさがきた(短夜・)
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| 選句一覧 丹仙 - 2024/06/30(Sun) 07:38 No.2460 | |
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白馬
天の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花 濃紫陽花の最大限の激賞。同感です。
地の句:[25]蛍追ふ認知の母のあとを追ふ 御母堂と蛍、そして作者。悲しくも優しい心。
人の句:[12]安曇野に住まいし祖父母蛍の夜 蛍。そして望郷。
しゐ
天の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花 地球が紫陽花のサイズに、紫陽花が地球のサイズに見えてきて、自分の居場所を見失いそうになる不思議な句。
地の句:[28]蛍の点滅シナプスの伝達 あの点滅がシナプスの伝達だったとは。すごい発見。
人の句:[30]短夜や厨の氷生るる音 短いながらも一番深い闇に包まれる時刻に響く音。「氷生るる音」がとても神秘的に思えます。
素蘭
天の句:[35]武蔵野に湧水多し額の花 清冽な湧水、めぐりに咲く額の花、武蔵野の情趣を今にとどめて
地の句:[11]紫陽花やリスボンの海なつかしき 日本原産ながら世界中で愛好される紫陽花 リスボン沖に浮かぶアソーレス諸島の紫陽花は殊に有名とか
人の句:[25]蛍追ふ認知の母のあとを追ふ 童心に帰ったような母上、見守る立場の逆転が切ない、、、
素人
天の句:[19]漆黒の闇に希望の蛍かな 点滅にある命の重み
地の句:[14]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ おいてゆくなよこの世に未練
人の句:[7]紫陽花の路地を巧みにピザバイク 時間通りに届にゃならぬ
風子
天の句:[35]武蔵野に湧水多し額の花 地名の効果、水と紫陽花は深い仲。うまく絡み合って全体に格調が生まれた。
地の句:[13]洗ひ場の跡に蛍の飛びにけり 慣れ親しんだ田舎の生活を彷彿させる一句。
人の句:[30]短夜や厨の氷生るる音 身近な体験、今も聞いたその音。眠れぬ夜のそばだつ音。
ヨアヒム
天の句:[14]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ 「闇」と蛍の対比が上手い。
地の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花 スケールがある。
人の句:[32]短夜や夢を二度見る時間割 「老い」を生きるのは大変。
翔河川
天の句:[14 ]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ 自分の光が際立つよう
地の句:[33]短夜を早駆けに過ぐ月白く すぐに朝すぐに朝になり
人の句:[30]短夜や厨の氷生るる音 冷蔵庫から
実生
天の句:[14]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ 平家蛍だろうなぁ。闇引き寄せてに惹かれる。
地の句:[5]紫陽花の雨に好かれてしどけなく しどけなくけど風にぶらんぶらん。
人の句:[3]明易の新聞配るバイク音 寝なくちゃ。と焦ってしまう。
秋童子
天の句:[25]蛍追ふ認知の母のあとを追ふ 童心に返ってしまった母を追う自分。ああ、昔は逆だったのに。
地の句:[30]短夜や厨の氷生るる音 「氷生るる音」が、この季語にとてもよく合っていると受け止めました。
人の句:[18]心痛み眠れぬままの短夜かな 実感があります。短い夜はあっという間に明けてしまって。
明子
天の句:[23]短夜や校正作業きりもなし 実感がこもっています。
地の句:[28]蛍の点滅シナプスの伝達 蛍の点滅は命の点滅ですね。
人の句:[26]蛍篭残してみんな失せにけり ぽつんと残った籠が、寂しさをより強く感じさせます。
丹仙
天の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花 濃紫陽花→地球→天河へと、小宇宙から大宇宙へと拡大、そしてまた眼前の貴石のような濃紫陽花へと縮小する宇宙、その神秘的照応が素晴らしい。
地の句:[37]山紫陽花祖眠る村の遥かなる 「遙かなる」という言葉が、目に見える山紫陽花から、悠久な過去へと連なる時間を感じさせます。
人の句:[36]もののふの耶蘇のクルスや蛍飛ぶ 「もののふの耶蘇」ということばから、小西行長や高山右近のようなキリシタン大名の姿が浮かびますね。「桃李福音歳時記」を私が編むとすれば、かならず夏の句の秀句に入れるでしょう。
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