カラスウリぶらさがっていて十月の第二の秋がそっとはじまる ひそやかに木犀の香はしのび入り私を待つときがはじまる 真っ白の朝の光に照らされて僕の住む町鄙びて見える ごめんねと呟いてみる言葉ひとつ煙のようでいいから消えゆけ もくせいの香りは嫌いじゃないけれど嫌いといってる私が好き 人はだれも木の葉のようにきらめいて風に吹かれていると信じる 燃えるように匂い満ちたる秋の日は空の青さを間違えないで 今もなお寂しがりやが棲んでいてこんな時には声出して泣く 星と陽と木犀の香の宇宙にてひた燃える秋愛しています 秋冷の夜は心の鍵あけて青い思いに嘘つかずいる |