街角の陶ギャラリーに彩皿(さら)ありて心動けばうれしかりけり むせび泣く面を思いて薪能十年ぶりにチケット買いつ 気付かされ思い返せば己が身の自然ならざるすでに知りけり ポプラの葉風にそよぎてあやしくも光の触手ふと伸びて来ぬ いにしえの空を眺めて思う人心の叫び我れは相知る 十五年同じ光を見たりしをなどてか心向かわずありけん 声を大に我れ断言す人の子は人のすべては美を希求する 初めての教え子来たり十五年前のやんちゃな教え子なりき 違えるは己れのみにもあらざればかなしかりけり最初の記憶 ことさらに裸電球見ていたり心の響き見捨てかねつも |