桃李歌壇

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9. 日にけ日にけ

街角の陶ギャラリーに彩皿(さら)ありて心動けばうれしかりけり

むせび泣く面を思いて薪能十年ぶりにチケット買いつ

気付かされ思い返せば己が身の自然ならざるすでに知りけり

ポプラの葉風にそよぎてあやしくも光の触手ふと伸びて来ぬ

いにしえの空を眺めて思う人心の叫び我れは相知る

十五年同じ光を見たりしをなどてか心向かわずありけん

声を大に我れ断言す人の子は人のすべては美を希求する

初めての教え子来たり十五年前のやんちゃな教え子なりき

違えるは己れのみにもあらざればかなしかりけり最初の記憶

ことさらに裸電球見ていたり心の響き見捨てかねつも

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